『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』で、ハリーはヴォルデモートのいる禁断の森へ行き、『アバダケダブラの呪い(死の呪い)』を受けます。
白い世界でダンブルドアと再会したハリーですが、その後生き返ることができました。
あの時なぜハリーは生き返ることができたのでしょうか?
ハリーがヴォルデモートから死の呪いを受けても死ななかった理由は大きく3つあります。
また、白い世界についてや気持ち悪い生き物の正体についても詳しく解説していきます。
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ハリーが生き返った理由1:ハリーの中の分霊箱のみが破壊されたから
禁断の森に行ったハリーは、ヴォルデモートから『アバダケダブラ』の死の呪いを受けて死にます。
そして、あの白い世界に入りますね。
ハリーが生き返った理由は、
です。
・・・と言っても、よくわからない方がおそらくほとんどですよね。
先に結論を言ってしまいましたが、下で詳しく解説しているので安心してください。
ちなみに『分霊箱』とは、ヴォルデモートが作った魂を分裂して物体に閉じ込めておくことで、不死身を実現させるための闇の魔術です。
分霊箱について詳しくは、【分霊箱とは】作り方と破壊できるものは?隠し場所一覧とヴォルデモートが殺した人もまとめ の記事にて解説しているので、分霊箱についてよくわからない方はまずこちらの記事を読んでみてください。
ハリーはヴォルデモートの分霊箱の1つだった
ヴォルデモートは自分が不死身になるために6つの分霊箱を作成しました。
- トム・リドルの日記
- マールヴォロ・ゴーントの指輪
- サラザール・スリザリンのロケット
- ヘルガ・ハッフルパフのカップ
- ロウェナ・レイブンクローの髪飾り
- ナギニ
以上の6つの分霊箱があります。
ヴォルデモートは分霊箱を全て破壊されることで、魂が消滅し、死にます。
なので、ハリーたちはヴォルデモートの分霊箱を探し、破壊するという旅に出ていたのです。
ハリーが死ななければヴォルデモートは死なない
ハリーはスネイプが死んだ後、スネイプの記憶を『憂いの篩』の中で見ますよね。
そしてその時、スネイプとダンブルドアの記憶を見ます。
ハリーはその時初めて、自分がヴォルデモートの分霊箱の1つになっていることを知ります。
だから、自分の中にあるヴォルデモートの魂を破壊するために、ハリーは自ら禁断の森へ行き、ヴォルデモートに殺されようとしたのです。
ハリーがヴォルデモートの分霊箱の1つになっているということは、ハリーの中にヴォルデモートの魂の一部が入っているということです。
なのでハリーはヴォルデモートと同じく蛇語を話すことができ、ヴォルデモートの思考や感情を読み取ることができるのです。
なぜハリーは分霊箱になったのか?
ヴォルデモートはハリーが1歳の時、『予言』がきっかけでハリーを殺そうとしますが、ハリーを殺すことはできませんでした。
『予言』については ハリーポッターの予言とは?両親のジェームズとリリーはなぜ殺されたのか解説! の記事にて解説しています。
そしてその時、ヴォルデモートも気づかぬうちに、ハリーを自分の分霊箱の1つにしてしまったのです。
なぜハリーが分霊箱になってしまったのかについてはハッキリしたことはわかっていません。
考えられる理由としては、
ヴォルデモートは既に複数の分霊箱を作っていたため、ハリーにかけた死の呪いが自分に跳ね返った衝撃で魂が分裂し、意図せずして分霊箱にしてしまった
という可能性が高いのではと思います。
また、ダンブルドアはこのことについて、赤ん坊を殺すという非道な行いを『しようとした』ため、ヴォルデモートの魂が分裂してしまったのではないかと推測しています。
ヴォルデモートが死の呪いをかけた時に破壊したのは自分の魂だった
『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』の内容に戻ると、禁断の森でハリーがヴォルデモートから死の呪いを受けた時、ヴォルデモートは自分自身の魂の一部を破壊したに過ぎなかったのです。
そのため、ハリーは死なず、ハリーの中にあるヴォルデモートの魂(分霊箱)のみが破壊されました。
なので、ハリーは一度あの白い世界に行きますが、生きて戻って来ることができました。
ハリーが生き返った理由2:ヴォルデモートがハリーの血を自らに取り入れていたから
ハリーが生き返った理由の2つ目は、
です。
さかのぼること、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の時のこと。
ヴォルデモートはリドルの墓にハリーを誘き出し、そこでハリーの血を自分に取り入れることで肉体を復活させました。
ヴォルデモートがハリーの血を利用したのは、ハリーの母親であるリリー・ポッターがかけた『護りの魔法』の効力を無くすためです。
護りの魔法によって、ハリーに近付く敵は、ハリーの体に指一本触れられないようになっていました。
護りの魔法が効いている限りはヴォルデモートはハリーを殺すことはできないため、護りの魔法が効力を発揮する際に必要になる『血』を利用したのです。
つまり、ハリーの血をヴォルデモートの体に取り込むことによって、ハリーと同じ血が自らに流れ、護りの魔法の効力を失わせたということです。
ヴォルデモートが肉体を復活させた方法はこちらの記事で解説しています↓
ヴォルデモートの復活の儀式でハリーの血を使ったのはなぜ?赤ちゃんみたいな姿の理由も解説
護りの魔法についてはこちらの記事で解説しています↓
【ハリーポッターの護りの魔法とは】ペチュニアの最後のあれについても解説!
ヴォルデモートの中にハリーの血が生き続けていた
『ハリー・ポッターと死の秘宝』で、ハリーはヴォルデモートから死の呪いを受けます。
しかし、たとえハリーが死んでも、ハリーの『血』はヴォルデモートの体の中で生き続けることになるのです。
原作の中で、白い世界にいたダンブルドアは、ハリーにこう言っています。
あの者が生きている限り、あの者はきみの命をつなぎとめておる!
引用:『ハリー・ポッターと死の秘宝』原作小説より
ヴォルデモートの中にハリーの血が流れていたため、ハリーは完全に死ぬことができず、生き返ることができたというわけです。
本来は、ヴォルデモートがハリーを殺すことで、ヴォルデモートが生き続けることができるという『予言』の元に行動してきました。
予言があったからこそハリーを殺そうとしていたのです。
しかし、ヴォルデモートがハリーの血を取り入れてしまったことで、むしろハリーに対してかけられていた『護りの魔法』の効力を強めるという結果になったのです。
ダンブルドアがハリーが死ぬことはないと考えていた推量については、こちらの記事で解説しています↓
ダンブルドアはハリーが死ぬべきだと考えていた?スネイプの豚のように発言の意味を解説
予言についてはこちらの記事で解説しています↓
ハリーポッターの予言とは?両親のジェームズとリリーはなぜ殺されたのか解説!
ハリーが生き返った理由3:ニワトコの杖の忠誠心
ハリーが生き返った理由として3つ目にあげられるのは、
という理由もあります。
こちらもなんのこっちゃ・・・って感じですよね^^;
ニワトコの杖と、忠誠心についても詳しく解説していきます。
ニワトコの杖とは?
そもそもニワトコの杖とはなんのこっちゃ・・・という方のために、ニワトコの杖について解説します。
ニワトコの杖は、『死の秘宝』の1つです。
魔法界に伝説として伝わる『死の秘宝』は3つあり、
- ニワトコの杖
- 蘇りの石
- 透明マント
以上の3つです。
この3つが揃えば、世界最強の魔法使いになれると言われています。
そのうちの1つがニワトコの杖です。
ニワトコの杖について詳しく解説すると長くなるので、ニワトコの杖の最後の持ち主や忠誠心とは?折ったのはなぜで盗んだ人は誰? の記事に詳しくまとめています。
ヴォルデモートはニワトコの杖を求めていた
世界最強の杖と言われるニワトコの杖ですが、ニワトコの杖を巡って過去には様々な争いが繰り広げられてきました。
そりゃあ、誰だって『世界最強の杖』、欲しいですよね。
ヴォルデモートも、自分が最強の闇の魔法使いになるために、ニワトコの杖を追い求めていました。
そして、ヴォルデモートは過去に杖作りのマイキュー・グレゴロビッチからニワトコの杖を盗んだゲラート・グリンデルバルドの元へ行きます。
『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』の最初のシーンですね。
グリンデルバルドは、1945年にダンブルドアとの死闘の末、ダンブルドアに負けて自身が作った要塞『ヌルメンガード城』に閉じ込められていました。
その時、ダンブルドアはグリンデルバルドからニワトコの杖を取り上げています。
ヴォルデモートはグリンデルバルドから杖を奪った人物を問いただしますが、グリンデルバルドは最後まで口を割らず、殺されてしまいます。(映画では言っちゃってますが・・・)
グリンデルバルドとダンブルドアは過去に親友だった時代があります。
対立していた過去がありますが、この時グリンデルバルドが口を割らなかったのは、ダンブルドアに対する罪滅ぼしのような感じだったのかもしれません。
今後グリンデルバルドとダンブルドアの詳しい関係については、『ファンタスティック・ビースト』シリーズで明らかになっていくと思います。
グリンデルバルドとダンブルドアの過去の関係については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ヴォルデモートはニワトコの杖を手に入れる
ヴォルデモートはダンブルドアと一緒に墓の中に埋葬された『ニワトコの杖』を発見します。(これも『死の秘宝Part2』の冒頭で墓を掘り起こすシーンがありますね)
晴れてニワトコの杖を手に入れたヴォルデモートですが、ニワトコの杖が上手く言うことを聞きません。
ニワトコの杖の忠誠心とは
ここで問題になるのが、ニワトコの杖の忠誠心です。
簡単に言うと、ニワトコの杖はご主人様の言うことしか聞きません。
ヴォルデモートはニワトコの杖の本当のご主人様(持ち主)ではなかったのです。
ニワトコの杖の持ち主はハリーだった
結論から言うと、ニワトコの杖の最後の持ち主になっていたのは、ハリーです。
そのため、ヴォルデモートはニワトコの杖を上手く使いこなすことができませんでした。(ハリーが本当のご主人様ですからね)
『死の秘宝Part2』でヴォルデモートを倒したあと、ロンとハーマイオニーと3人だけになった時にハリーがニワトコの杖の忠誠心について語るシーンがあります。
ハリーの前の持ち主はドラコ・マルフォイだった
以前の持ち主であるアルバス・ダンブルドアからエクスペリアームス(武装解除呪文)で杖を奪ったのは、ドラコ・マルフォイです。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の最後のシーンで、ドラコ・マルフォイはダンブルドアを殺すために塔の上でダンブルドアに対して武装解除呪文をかけています。
その時、ニワトコの杖の忠誠心は、持ち主のダンブルドアからドラコ・マルフォイに移ったのです。
この時重要なのが、ニワトコの杖の『現物』がなくても、忠誠心は移ると言うことです。
マルフォイはこの時『ニワトコの杖』の存在も知らなかったでしょうし、ダンブルドアの杖そのものを奪ったわけではなく、『武装解除』をしたのみです。
杖はその後ダンブルドアとともに墓に埋葬されていましたから、マルフォイがニワトコの杖そのものを持っていたのではなく、あくまでも『忠誠心』がダンブルドアからマルフォイに移ったということになります。
マルフォイ邸でハリーはマルフォイから杖を奪った
その後、『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』の最後にて、ハリーたちは人さらいに捕まり、マルフォイ邸に連れて行かれますよね。
そこで、ハリーたちが逃げる前、ハリーはマルフォイが持っていた杖を奪います。
ここにも現物の『ニワトコの杖』はありませんでしたが、マルフォイが持っていた杖を奪ったことで、ニワトコの杖の忠誠心はマルフォイからハリーへと移ったのです。
そのため、この時点で『ニワトコの杖』の真の持ち主(ご主人様)はハリーになったのです。
ヴォルデモートがスネイプを殺したのは間違い
ここで『ハリー・ポッターと死の秘宝Part2』の内容に戻ると、ヴォルデモートはニワトコの杖の忠誠心がスネイプにあると思い殺害したシーンがありましたよね。
ヴォルデモートは、スネイプこそがニワトコの杖の真の持ち主だと勘違いしていたのです。
ヴォルデモートは
最後の持ち主を殺した者に杖は帰属する
引用:ハリーポッターより
と言っていますが、あれは間違いです。
殺したことが重要なのではなく、杖を取り上げたことで新たな杖の所有者になることができます。
ダンブルドアがグリンデルバルドを殺していないのに杖の所有者になっている時点でそれは明白ですね。
ダンブルドアをアバダケダブラの呪いで殺したのはスネイプですが、杖を取り上げたのはドラコ・マルフォイなので、マルフォイが『ニワトコの杖』の所有者になりました。
そしてその後、マルフォイから杖を奪ったハリーが『ニワトコの杖』の真の所有者になったというわけです。
その証拠に、ヴォルデモートがスネイプを殺した後もなお、『ニワトコの杖』はヴォルデモートの言うことを聞くことはありませんでした。
ハリーが死ななかったのはニワトコの杖が上手く機能しなかったから
ここで本題に戻ると、ハリーがアバダケダブラの呪いをかけられても死ななかったのは、
と言えます。
ニワトコの杖はハリーに対して忠誠を持っていますから、杖の真の所有者であるハリーに向けてかけられたアバダケダブラの死の呪いが正常に機能しなかったと考えられます。
ハリーが生き返ったのは蘇りの石のおかげではない
『ハリーポッター』の中で登場する『死の秘宝』の中に、『蘇りの石』という秘宝があります。
死んだ者を現世に蘇らせる石ですね。
ハリーは禁断の森へ入る前にダンブルドアから遺されたスニッチに口をつけると、スニッチが開いて蘇りの石が出てきます。
しかし、ハリーが生き返ったのは蘇りの石のお陰ではありません。
蘇りの石を手の中で回すと、ハリーの両親やシリウス、ルーピンが現れますが、彼らはハリーにしか見ることができない、実体のない存在です。
蘇りの石は、本来死者を生き返らせることはできず、蘇らせた人と会話ができる状態に蘇らせることしかできないのです。
なので、ハリーがリリーの手に触れようとした時、触れることはできませんでした。
さらに、ハリーはヴォルデモートのところに行く前に、蘇りの石を森の中に捨ててきています。
ハリーが生き返ったのは、蘇りの石の効果による者ではありません。
ハリーが辿り着いた白い世界は何なのか解説
続いては、ハリーがヴォルデモートからアバダケダブラの呪いをかけられた後に辿りついた、あの『白い世界』について解説します。
ハリーは『キングスクロス駅みたい』と表現していましたね。
あの世界は、死の世界と生の世界の狭間のようなものです。
(この世界について、ハリーが三途の川を渡ったのかどうかは、作者のJ・ K・ローリングは読者の解釈に任せると言っています。)
なので、あの場所にダンブルドアがいました。
そして、ダンブルドアはハリーに
と言います。
自分が死なないとヴォルデモートを殺すことができないと思っていたハリーは、一度はヴォルデモートから殺される運命を選びました。
そして、実際にアバダケダブラの呪いを受け、死と生の狭間を彷徨います。
しかし、ダンブルドアから生きるか死ぬか選べると言われたことで、生きている世界に戻ることができるということを知り、ヴォルデモートを滅ぼすために再び生きている世界に戻ることにするのです。
白い世界にいた気持ち悪い生き物の正体はヴォルデモート
そして、白いキングスクロス駅に似た世界にいた気持ち悪い生き物の正体は、みなさんもお察しの通りヴォルデモートです。
ダンブルドアも
滅ぶべき、ヴォルデモートのカケラじゃよ。
引用:ハリーポッターより
と言っています。
ヴォルデモートは分霊箱を作って不死身の体になったと勘違いしていましたが、分霊箱に魂を分断すればするほど、魂はどんどん弱く、脆くなっていっていました。
なので、いわばもう死んでいる状態なのです。
肉体はあったとしても、生きているわけではない。
ヴォルデモートは生きることも、死ぬこともできない状態になっていると考えられます。
なので死と生の狭間であるあの空間にいたんですね。
また、もう一つ説があり、自分のかけた死の呪いによってハリーの中にあったヴォルデモートの魂のカケラが破壊され、あのような状態になったと言われることもあります。
ダンブルドアは、自分自身が作り出した魂のカケラをヴォルデモート自身の手で破滅させてしまったことを哀れんで、「助けることはできない」と言ったのです。
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まとめ
ハリーが生き返ったのは、ハリーの中のヴォルデモートの魂が破壊されただけだったから
ハリーが生き返ったのは、ヴォルデモートの中にハリーの血が流れていたから
ハリーが生き返ったのは、ニワトコの杖の忠誠心がヴォルデモートにはなく、杖が正常に機能しなかったから
白い世界は生と死の狭間で、ハリーは生き返ることを選んだ
『ハリー・ポッター』シリーズは、原作を読んでいないと難解な部分も多いですね。
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