『ハリー・ポッター』シリーズで物語の重要な要となる『ニワトコの杖』
『死の秘宝』の1つともされていますが、『ハリー・ポッターと死の秘宝』で出てきた『杖の忠誠心』についてよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、ニワトコの杖について掘り下げて解説していきます!
もくじ:好きなところに飛べます
ニワトコの杖とは?
まずは、ニワトコの杖について解説していきます。
ニワトコの杖は、『世界最強の杖』という異名を持つ杖で、『死の秘宝』の1つとされています。
『死の秘宝』については、こちらの記事にて詳しく解説しています。
ニワトコの杖を作ったのはアンチオク・ペベレル
ニワトコの杖の作成者は、ぺベレル家の長男、アンチオク・ぺベレルです。
『吟遊詩人ビードルの物語』の『三兄弟の物語』では、1番上の兄は『死』からニワトコの杖を授かり、自分が無敵だと吹聴したことで、寝ている間に首を掻き切られ死んでいます。
おそらくアンチオク・ぺベレルも同じように杖を奪われて亡くなったのだと思われています。
ニワトコの杖の素材
ニワトコの杖は、
- ニワトコの木
- セストラルの尾の毛の芯
でできています。
セストラルの尾の芯は、強力ですが非常に扱いにくく、さらにセストラルは死を間近に見たことがある人物にしか見えない動物ということもあり、ニワトコの杖は『死を受け入れることができる者』にしか扱うことができないとも言われています。
セストラルについては、こちらの記事にて解説しています。
ニワトコの杖の歴代の持ち主
続いては、ニワトコの杖の歴代の持ち主について解説していきます。
まずは、所有者一覧を紹介しておきます↓
1 | アンチオク・ペベレル |
2 | アンチオク・ペベレルを殺害した人物 |
3 | 悪人エメリック |
4 | 極悪人エグバード |
5 | ゴデロット |
6 | ヘレワード |
7 | バーナバス・デベリル |
8 | ロクシアス |
9 | アーカス または リビウス |
10 | マイキュー・グレゴロビッチ |
11 | ゲラート・グリンデルバルド |
12 | アルバス・ダンブルドア |
13 | ドラコ・マルフォイ |
14 | ヴォルデモート(忠誠心はなし) |
15 | ハリー・ポッター |
1人目:アンチオク・ぺベレル
1人目のアンチオク・ぺベレルは、ニワトコの杖の最初の所有者であり、杖を作成した人物と言われています。
ぺベレル家は13世紀初頭にゴドリックの谷に住んでいたと言われる三兄弟で、魔法の高度な技術を使って3つの『死の秘宝』を創造したと言われています。
アンチオクは長男で、三兄弟の中でも好戦的な魔法使いだったと言われています。
2人目:アンチオクを殺した人物
2人目については、アンチオクを殺し、杖を奪った人物ですね。
『魔法使い』と言われているので、おそらく男性ですね。
3人目:悪人エメリック
3人目の悪人エメリックは、ハリーたちが通うホグワーツの『魔法史』の授業でも登場する歴史上の人物で、中世初期にイングランドに実在した(魔法界で)魔法使い。
4人目のニワトコの杖の所有者である極悪人エグバードとの戦いの末、エメリックが殺害されます。
4人目:極悪人エグバード
悪人エメリックとの戦いの末に勝利した極悪人エグバード。
ニワトコの杖は極悪人エグバードに渡ります。その後の消息は不明。
5人目:ゴデロット
5人目のニワトコの杖の所有者のゴデロットは、『最も邪悪なる魔法』を著した魔法使いで、ダンブルドアからは『好ましからざる人物』と称されています。
ダンブルドアが好ましからざると言っていることから、闇の魔術に精通した人物だと思われます。
極悪人エグバードからどのようにニワトコの杖を手に入れたのかはわかっていません。
6人目:ヘレワード
6人目のヘレワードは、ゴデロットの息子。
父親であるゴデロットを地下室に閉じ込めて死に追いやり、ニワトコの杖を手に入れます。
7人目:バーナバス・デベリル
7人目のバーナバス・デベリルは、18世紀ごろに生きていたとされる魔法使い。
ニワトコの杖を『庭床の杖』と呼び、自分が恐ろしい魔法戦士であると吹聴していました。
最後はロクシアスという魔法使いに殺害され、杖を奪われます。
8人目:ロクシアス
8人目のロクシアスは、ニワトコの杖を『死の杖』と呼び、自分の敵を次々に倒していました。
その後ロクシアスを殺害した人物が何人も名乗り出たため殺害した人物は不明となっていますが、ルーナ・ラブグッドの父親のゼノフィリウス・ラブグッドは、アーカス、またはリビウスという魔法使いが殺害したのだと語っています。
9人目:アーカスorリビウス
9人目の所有者と思われるアーカスとリビウスについては、定かな情報はありません。
10人目:マイキュー・グレゴロビッチ
10人目の所有者は、マイキュー・グレゴロビッチです。
グレゴロビッチは有名な杖作りの1人で、最後にグレゴロビッチの杖を買ったのがビクトール・クラムだと言われています。
グレゴロビッチがどのようにしてニワトコの杖を手に入れたのかは不明です。
11人目:ゲラート・グリンデルバルド
11人目の所有者は、ゲラート・グリンデルバルドです。
グリンデルバルドは、『ファンタスティック・ビースト』シリーズにも登場する魔法使いで、アルバス・ダンブルドアの旧友の1人でもあります。
ダームストラング専門学校を退学になり、その後世界を震撼させた闇の魔法使い。
グリンデルバルドは若い頃にグレゴロビッチからニワトコの杖を奪い、逃走しています。
ダンブルドアとグリンデルバルドの関係について詳しくはこちらの記事で解説しています。
12人目:アルバス・ダンブルドア
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12人目の所有者は、アルバス・ダンブルドアです。
ダンブルドアとグリンデルバルドは、かつてゴドリックの谷で出会い、親友同士でしたが、ダンブルドアの妹、アリアナの死をきっかけに疎遠となります。
グリンデルバルドの闇の勢力が増し、ダンブルドアは1945年にグリンデルバルドを止めるために戦います。
伝説的な戦いの末、アルバス・ダンブルドアが勝利し、グリンデルバルドからニワトコの杖を取り上げ、グリンデルバルドが創造したヌルメンガードというう要塞に幽閉します。
13人目:ドラコ・マルフォイ
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13人目の所有者は、ドラコ・マルフォイです。
ただし、ドラコ・マルフォイはニワトコの杖を使用したことは一度もありません。
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』にて、アルバス・ダンブルドアを殺すようヴォルデモートに命じられたマルフォイは、ダンブルドアに『エクスペリアームス』の武装解除呪文を使ってニワトコの杖を奪います。
このあと詳しく解説しますが、ダンブルドアを殺害したのはセブルス・スネイプですが、マルフォイが武装解除したため、ニワトコの杖はドラコ・マルフォイの所有物となったのです。
14人目:ヴォルデモート
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14人目の所有者は、ヴォルデモートです。
ただし、ヴォルデモートは自ら杖を奪い取った訳ではないので、ニワトコの杖はヴォルデモートに対して忠誠心がなく、杖を扱うことができませんでした。
15人目:ハリー・ポッター
15人目の所有者は、ハリー・ポッターです。(ヴォルデモートへの忠誠心がなかったため、ハリーは実質14人目の所有者ですが)
ハリーは『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』で、マルフォイ邸でマルフォイから杖を奪います。
マルフォイが持っていたのはニワトコの杖ではありませんが、マルフォイに武装解除呪文をかけたために、ニワトコの杖の忠誠心がハリーへと変わったということです。
ニワトコの杖を盗んだのは誰?
では、ここからはニワトコの杖の所有者に関する、もっと具体的に詳しい解説をしていきます。
まずは、ニワトコの杖をグレゴロビッチから盗んだ人物についてですが、こちらは先ほども触れたようにゲラート・グリンデルバルドですね。
グリンデルバルドについて簡単に解説
グリンデルバルドは、『ダームストラング専門学校』という魔法学校に在学中から闇の魔術にのめり込み、在学中に闇の魔術で他の生徒を攻撃したことでダームストラングを放校処分となります。
その後、イギリス・ゴドリックの谷に住む叔母(伯母)のバチルダ・バグショットの元へ身を寄せ、当時ゴドリックの谷に住んでいたアルバス・ダンブルドアと出会います。
バチルダ・バグショットについては、こちらの記事で解説しています。
初めは2人ともマグルを征服し、魔法族が優勢の世界を作り出すことで意気投合し、ダンブルドア自身も闇の魔術にのめり込んでいた時期がありました。
しかし、ダンブルドアの妹、アリアナの死によって、グリンデルバルドは逃亡。
おそらくグリンデルバルドがアリアナを殺したのではないかと言われています。
グリンデルバルドがニワトコの杖を奪ったのは、おそらくその騒動の後だと思われており、グリンデルバルドは以降イギリスに来ることはありませんでした。これは、ダンブルドアを恐れていたためと言われています。
そしてその後、グリンデルバルドを止めようとしたアルバス・ダンブルドアが動き、1945年に伝説の決闘と言われる戦いにてグリンデルバルドを打ち負かし、ダンブルドアがニワトコの杖の所有者となります。
グリンデルバルドは、自身がオーストリアに創造した要塞、『ヌルメンガード城』に幽閉され、ニワトコの杖の所在について聞きに来たヴォルデモートによって殺され、1998年、115歳(116歳)で生涯を終えています。
ニワトコの杖の最後の持ち主は?
続いて、ニワトコの杖の最後の持ち主について。
こちらは、結論から言うとハリーが最後の持ち主になりますね。
ハリーが最後の持ち主になった理由
時系列に説明すると、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の最後に、ヴォルデモートにダンブルドアを殺せと命じられたドラコ・マルフォイが、ダンブルドアに武装解除術『エクスペリアームス』を使います。
そこで、ドラコ・マルフォイがニワトコの杖の所有者になりました。
ダンブルドアを殺したのはセブルス・スネイプですが、武装解除したのがドラコ・マルフォイだったので、スネイプではなくドラコがニワトコの杖の所有者となったのです。
そしてその後、『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』にて、ハリーたちが人さらいに捕まりマルフォイ邸に連れて来られた際、逃げるときにマルフォイから杖を奪います。(杖を取られたので)
マルフォイから杖を奪ったのはハリーなので、ニワトコの杖の所有者はハリーになったのです。
さらに、ハリーは最後杖を折ってしまいますから、最後の所有者はハリーということになりますね。
ニワトコの杖の忠誠心とは?
では、杖の所有者を語る上で欠かせない『杖の忠誠心』についても解説していきます。
ニワトコの杖の忠誠心についてよくわからなくなったのは、おそらく杖を所有していない、使っていないドラコ・マルフォイが杖の所有者であるという話の流れで「???」となった方が多いのではないでしょうか?
ヴォルデモートはダンブルドアの墓を掘り起こし、ニワトコの杖を手に入れますが、杖が言うことを聞きません。
ヴォルデモートはダンブルドアを殺したセブルス・スネイプがニワトコの杖の所有者だと思いスネイプを殺しますが、それでも杖は言うことを聞きませんでした。
スネイプがダンブルドアを殺す前に、ドラコ・マルフォイが武装解除をしているので、杖の忠誠心はダンブルドアからマルフォイに移ったということになります。
そのため、スネイプを殺したとしても、ニワトコの杖の忠誠心は変わらず、ドラコ・マルフォイのままということになります。
しかしその前に、マルフォイ邸でハリーがマルフォイから杖を奪っています。
この時、ニワトコの杖は手元にありませんでしたが、『杖を奪った』という行為によって、ニワトコの杖の忠誠心がハリーへと移ったのです。
ヴォルデモートとハリーが最後に対峙したとき、ヴォルデモートが持っていたニワトコの杖の忠誠心はハリーにありました。
そのため、ヴォルデモートが杖を扱おうとしても、上手く扱うことができなかったのです。
物理的に杖を奪う必要はなく、『エクスペリアームス(武装解除呪文)』などで杖を奪うという行為そのものに意味があると考えられます。
ニワトコの杖は死を受け入れた者のみが扱うことができる
さらに、ニワトコの杖を扱うに当たって、『死を受け入れた者のみが正しく杖を扱うことができる』というものもあります。
ヴォルデモートは分霊箱を作って不死身になろうとするなど、『死』を恐れています。
実際に、ヴォルデモーとは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にて、自分自身の目的が『死の克服』であると語っています。
ヴォルデモートの目的についてはこちらの記事にて詳しく解説していますが、ヴォルデモートはこのことから見ても『死を受け入れている』とは言えませんよね。
反して、ハリーは死を受け入れています。
ハリーは自らが死なない限りは、ヴォルデモートを殺すことはできないと悟り、ヴォルデモートに自ら殺されに行きます。
その時点で、ハリーは『死』というものを受け入れてていますよね。
この点に関しては原作でハッキリ明記されていないので私の憶測にはなりますが、ハリーは『死を受け入れた』ことにより、ニワトコの杖の真の所有者になったのだと考えられます。
ハリーがニワトコの杖を折ったのはなぜ?
では最後に、ハリーがニワトコの杖を折ったのはなぜだったのでしょうか?
これは読み手の受け取り方にもよりますが、ハリーが杖を折ったのは『自分には必要ない』と思ったからですね。
原作では、一度だけハリーがニワトコの杖を使う場面があります。それは、自分の折れた杖を直す場面です。
ニワトコの杖は、『世界最強の杖』と言うだけあって、どんな呪文を使っても直すことができない杖も直す事が可能です。(ハリーの杖はオリバンダーでも直すことができなかった)
ハリーはニワトコの杖を使って自分の杖を直し、ニワトコの杖は折って捨ててしまいます。
ヴォルデモートの脅威がなくなり、もう戦うものがなくなったという理由が1つ。
そして、ニワトコの杖により、新たな犠牲者が出ることを防ぐためでもあったんですね。
ニワトコの杖の持ち主は、全員殺されるなど、血塗られた歴史を辿っています。ハリーは、そんな不毛な戦いを終えるために、ニワトコの杖を折ったのだと思います。
あのままニワトコの杖をハリーが持っていたら?
また新たな敵に狙われた可能性もあると思います。
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まとめ
- ニワトコの杖の持ち主はわかっているだけで15人
- ニワトコの杖を盗んだのはゲラート・グリンデルバルド
- ニワトコの杖には忠誠心があり、『死』を受け入れられる者のみ正しく扱うことができる
- ハリーがニワトコの杖を折ったのは、自分には必要がないと思ったから
『ハリー・ポッター』シリーズは原作小説を読んでいないと難解な部分が結構ありますよね。
『ハリーポッター』シリーズについては詳しく解説&考察しているので、その他の解説&考察記事もぜひ読んでみてくださいね!