『ハリー・ポッター』シリーズに登場する『死の秘宝』の1つ、『蘇りの石』
映画ではあまり登場シーンがないのでよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな蘇りの石について掘り下げていきます!
もくじ:好きなところに飛べます
蘇りの石とは?
まずは、『蘇りの石』について解説していきます。
『蘇りの石』は、『死の秘宝』の1つで、ぺベレル家の三兄弟の2番目の兄、カドマス・ぺベレルが作ったものであると言われています。
『死の秘宝』については、こちらの記事にて詳しく解説しています。
蘇りの石は、手の中で3回まわすと死者を蘇らせることができる石ですが、生き返らせるという意味ではなく、幽霊のような形で、意思はあるけれど実体はないものと思われます。
カドマス・ぺベレルの子孫がヴォルデモートである可能性が高く、ヴォルデモートの祖父、マールヴォロ・ゴーントが蘇りの石がついた指輪『マールヴォロ・ゴーント』の指輪を所有していました。
ヴォルデモートはマールヴォロの死後、指輪を受け継いだマールヴォロの息子のモーフィン・ゴーント(ヴォルデモートの伯父)から指輪を奪い、のちに分霊箱の1つにしています。
分霊箱についてはこちらの記事にて詳しく解説しています。
また、分霊箱を破壊しようと、マールヴォロ・ゴーントの指輪を手に入れたアルバス・ダンブルドアは、指輪に蘇りの石がついていることに気がつき、妹のアリアナに会いたいがために指輪をはめてしまいます。
指輪をはめたダンブルドアは、ヴォルデモートの分霊箱の呪いにより、左手を侵され、1年の余命宣告をされてしまいます。(呪いが左手から全身に回ってしまうため)
ハリーが最後に蘇りの石を捨てた理由はなぜ?
そんな『蘇りの石』ですが、なぜハリーは最後に蘇りの石を捨ててしまったのでしょうか?
ハリーは森でヴォルデモートと対峙する前に、
- ジェームズ・ポッター(父)
- リリー・ポッター(母)
- リーマス・ルーピン(ホグワーツの戦いで死亡)
- シリウス・ブラック(神秘部の戦いで死亡)
の4人に会います。
ハリーが蘇りの石を手の中で3回まわすと、4人が現れたのです。
そして、ハリーは4人と少ない会話を交わすと、石を捨てて森へ入って行きます。
なぜハリーは石を捨てたのか?
この点については、読み手の解釈にもよりますが、個人的にはハリーに『蘇りの石は必要なかった』のだと思いますね。
ハリーに『蘇りの石』は必要なかった
ハリーの近くには、いつもリリーとジェームズ、そして愛する人たちがいました。
ハリーは知っていたのです。ずっと愛する人たちが自分の側で見守ってくれていることを。
ハリーはピンチの時、いつも『不思議な力』に助けられてきました。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の時にも、ハリーはジェームズとリリーの”こだま”に会っています。
(『炎のゴブレットでセドリックと両親が現れたのはなぜ?直前呪文とは?』にて詳細を解説しています)
ハリーは蘇りの石を使って改めて、石を使わなくても、いつも愛する人たちが側にいる事を知ったのです。
さらに、ハリーはその時死ぬ覚悟でしたから、もう蘇りの石は必要ありませんよね。
あの世に行けば、いつでも亡くなった4人に会うことができるのですから。
他の人が『蘇りの石』を見つけられないようにした
また、ハリーは『もう他の誰にも石を見つけられないように』森の中に石を落とし、そのことはダンブルドアの肖像画以外には誰にも言わなかったとも言われています。
ハリーが他の人に見つけてもらいたくなかった理由としては、
蘇りの石で蘇った魂の幻想に、他の人が惑わされて欲しくなかったから
なのではないでしょうか?
ハリーは最後に『ニワトコの杖』も折って捨てています。
自分が所有している『透明マント』以外は、魔法界には必要がないものと考えたのかもしれません。
蘇りの石に関しては、いろいろな解釈をすることができますね。
蘇りの石がスニッチに入っていた理由はなぜ?
『蘇りの石』は、ダンブルドアから遺された『スニッチ』に入っていましたが、なぜ蘇りの石はスニッチの中に入っていたのでしょうか?
ダンブルドアが蘇りの石をスニッチの中に入れた理由としては、
- 魔法省に気付かれずに蘇りの石をハリーに遺したかった
- 終わるときに開かせたかった
この2つの理由が考えられます。
魔法省に気づかれずに遺したかった
1つ目の理由の、魔法省に気づかれずに『蘇りの石』をハリーに相続したかった、についてですが、ダンブルドアはハリー、ロン、ハーマイオニーの3人に、それぞれ遺品を遺しています。
しかし、個人的な遺品を遺したのは3人にのみだったため、魔法省はなぜ遺品を遺したのか?その意味について知りたがりました。
魔法省では31日間は遺品を調べる権利がありますが(本来なら闇の魔術の品などに限るのですが、魔法省はハリーたちの遺品を勝手に調べた)、31日の期限が切れ、何もおかしな物を見つけることができなかったのでハリーたちに遺品を渡します。
ロンには火消しライター。ハーマイオニーには吟遊詩人ビードルの物語を遺贈しています。
ハリーにはハリーが試合で初めて捕まえたスニッチを遺贈しましたが、魔法省はなぜスニッチを遺贈したのか見破ることができませんでした。
当時の魔法大臣のルーファス・スクリムジョールは、『スニッチに肉の記憶がある』ということを知っていたため、ハリーが掴めばスニッチが何かしらのアクションを起こすと思っていましたが、ハリーが初めてスニッチを捕まえたのは口(当時の試合で危うく飲み込みそうになった)
ハリーはスクリムジョールがいなくなってから、ロンとハーマイオニーの前でスニッチに唇をつけると、
『私は終わるときに開く』
という文字が現れます。
この点は若干原作と映画では描写が違くなっています。
終わるときに開かせたかった
2つ目の理由の、終わるときに開かせたかったですが、ダンブルドアは生前、ハリーに預言について話す場面があります(『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』にて)
そこで、予言の内容である
『一方が生きる限り他方は生きられん』
という部分を、ハリーに話します。
予言についてはこちらの記事にて解説しています。
さらに、後にハリーはセブルス・スネイプの記憶によって気づくことになりますが、ハリーがヴォルデモートの分霊箱の一部となっているため、ヴォルデモート自身の手によってハリーが殺されなくてはいけないのだということをダンブルドアはずっと以前から知っていました。
ダンブルドアはおそらく、ハリーが死を覚悟した時、愛する人たちの勇気をもらうために蘇りの石を遺したのではと思うのです。
そのためには魔法省に見つかることを避け、スニッチが『終わる時に開く』ように魔法をかけたのだと思われます。
蘇りの石と賢者の石の違いは?
そんな『蘇りの石』ですが、魔法力のある石と言えば、『賢者の石』も有名ですよね。
『蘇りの石』と『賢者の石』はどう違うのでしょうか?
賢者の石とは?
『賢者の石』とは、錬金術師:ニコラス・フラメルが作った魔法の石です。
『賢者の石』の効果としては、
- 不老不死を実現する『命の水』の原料
- 全ての物を黄金に変えることができる
という2つの効果があります。
ニコラス・フラメルは魔法界の有名な錬金術師の1人。
フランス出身の魔法使いで、『賢者の石』を作り、『賢者の石』から作ることができる『命の水』を飲み、1992年の時点で665歳を迎えています。
その後『ハリー・ポッターと賢者の石』にて、ヴォルデモートが『賢者の石』を使って復活しようとしたことから、ダンブルドアとの話し合いの末賢者の石を壊し、1992年〜1996年の間に死去したと言われています。
フラメルは死ぬ前に十分な寮の『命の水』を蓄えていたと言われており、身辺の整理をする時間は十分にあるだろうとダンブルドアが明言しています。
また、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、水晶玉を使う場面も見受けられます。
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詳細についてはまだ明らかにされていませんが、水晶玉を使う何かしらの能力or技術があると考えられますね。
ニコラス・フラメルについて詳しくは、こちらの記事で解説しています。
『賢者の石』と『蘇りの石』の違い
『賢者の石』について解説したため、もう違いについてはご理解いただけたと思いますが、『賢者の石』は不老不死を実現させる石であり、『蘇りの石』は死者を蘇らせる石であるということなので、根本的に効能が違いますね。
ヴォルデモートは『賢者の石』を使って肉体を復活させ、不老不死の身になろうと試みましたが、反してマールヴォロ・ゴーントの指輪についていた『蘇りの石』に関しては、気づかなかったor興味がなかったと考えられます。
『蘇りの石』で蘇らせたい愛する人物など、ヴォルデモートにはいなかったでしょうからね。
蘇りの石の歴代の持ち主はだれ?
続いては、『蘇りの石』の歴代の持ち主について解説していきます。
カドマス・ぺベレル
蘇りの石の1人目の持ち主は、カドマス・ぺベレルですね。
カドマス・ぺベレルは13世紀初頭にゴドリックの谷に住んでいた魔法使いです。
『三兄弟の物語』のモデルにもなっており、『蘇りの石』を創造した人物と言われています。
ゴーント家
カドマス・ぺベレルの後の持ち主についてはハッキリとわかっていませんが、カドマス・ぺベレルの子孫にあたるゴーント家が所有することになりました。
ゴーント家は、サラザール・スリザリンの末裔でもあります。
ゴーント家に渡った時には指輪に蘇りの石がはめこまれた形になっています。
マールヴォロ・ゴーント
ゴーント家の子孫で、ヴォルデモートの祖父にあたるマールヴォロ・ゴーントが、ハッキリとわかっている蘇りの石の所有者になります。
マールヴォロ・ゴーントが蘇りの石を手にした時には、すでに指輪に埋め込まれた形になっていました。
マールヴォロ・ゴーントは、蘇りの石の存在については知らなかったのではと言われています。
指輪については、サラザール・スリザリンの末裔であるゴーント家の家宝という形で大切に扱っていました。
モーフィン・ゴーント
マールヴォロ・ゴーントの次に蘇りの石の所有者になったのは、マールヴォロ・ゴーントの息子のモーフィン・ゴーントです。
マールヴォロ・ゴーントは、魔法省の役人を攻撃した罪でアズカバン行きとなり、アズカバンから出所してすぐに死んでしまいます。
そのため、モーフィン・ゴーントが受け継いだ形になりますね。
トム・リドル(ヴォルデモート)
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次に蘇りの石を所有したのは、トム・リドル(ヴォルデモート)です。
トム・リドルが16歳の夏休み、サラザール・スリザリンの末裔がリトル・ハングルトンに生き残っていると知ったトム・リドルは、ゴーント家に行きます。
そこでモーフィン・ゴーントから自分の母親について聞き、リドルはモーフィンから指輪を奪い、モーフィンの杖を使ってリドル一家(ヴォルデモートの父親と祖父母)を殺します。
この辺の詳しいところはこちらの記事にて詳しく解説しています。
トム・リドルは手に入れた指輪を分霊箱にしています。
分霊箱についてはこちらの記事にて詳しく解説しています。
アルバス・ダンブルドア
ヴォルデモートの次に蘇りの石を所有したのは、アルバス・ダンブルドアです。
ダンブルドアはヴォルデモートが分霊箱を作っていることを知り、ゴーント家に分霊箱を探しに行きます。そこで、呪いをかけられた蘇りの石(マールヴォロ・ゴーント)の指輪を発見します。
ダンブルドアは、死んだ妹のアリアナに会いたい一心で蘇りの石のついた指輪をはめてしまいます。
そして、ダンブルドアの右手は呪いに侵され、1年の余命宣告を受けてしまいます。(呪いが全身に回って死んでしまう)
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呪いに侵されてしまいましが、ダンブルドアは蘇りの石の効力を保ったまま分霊箱としての機能は破壊します。
おそらくグリフィンドールの剣で破壊したのだと思われています。
セブルス・スネイプ
蘇りの石は、セブルス・スネイプがその後所有していたという説もあるようですが、具体的なことは一切明記されていないので、可能性としては低いと思います。
セブルス・スネイプが蘇りの石を所有していた場合、真っ先にリリー・ポッターを蘇らせたのでは?と思います。
ハリー・ポッター
蘇りの石は、最終的にハリー・ポッターの手に渡ります。
アルバス・ダンブルドアが指輪から蘇りの石を外し、金のスニッチの中に入れて遺言と共にハリーに託します。
ハリーは最後、森でヴォルデモートと対峙する前、蘇りの石を使って両親、シリウス、ルーピンを蘇らせています。
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まとめ
- ハリーが蘇りの石を捨てたのは、『自分に必要がない』と思ったから
- スニッチの中に蘇りの石が入っていたのは、魔法省の人間に見つからないため
- スニッチは賢者の石とは別物
『ハリー・ポッター』シリーズは原作小説を読んでいないと難解な部分が結構ありますよね。
『ハリーポッター』シリーズについては詳しく解説&考察しているので、その他の解説&考察記事もぜひ読んでみてくださいね!