『ハリーポッターと謎のプリンス』で、マルフォイが必要の部屋へ行き、キャビネット棚に鳥やリンゴを入れるシーンがありますが、マルフォイがしていたことは一体なんなのか?
今回は、『謎のプリンス』でのマルフォイの謎の行動と計画について徹底解説してみました!
もくじ:好きなところに飛べます
ダンブルドア殺害を命じられた理由
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の冒頭、セブルス・スネイプの自宅があるスピナーズ・エンドが登場します。
スネイプの自宅を訪れたのは、ベラトリックス・レストレンジと、ベラトリックスの妹で、ドラコの母親であるナルシッサ・マルフォイ。
ナルシッサは、一人息子であるドラコを助けたいという一心でスネイプにすがりに来たのです。
父親の失態とヴォルデモートの報復
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の時に、デスイーターたちが神秘部に侵入し、ハリーとヴォルデモートに関する予言を盗もうとしますが、失敗。
さらに、ルシウスやその他の複数のデスイーターがアズカバンに投獄されてしまったのです。
このことでヴォルデモートは激怒し、マルフォイ一家への報復として、息子であるドラコにダンブルドアの殺害を命じたのです。
ヴォルデモートは、はじめからドラコに任務が遂行できるなどとは思っておらず、任務の途中で殺されるか、失敗すれば自分自身が始末しようと思っていたのでしょう。
破れぬ誓いを結んだ理由
ナルシッサの姉であるベラトリックスは「自分に息子がいたら喜んで闇の帝王に差し出す」「ドラコにとっても名誉なこと」と言いますが、ナルシッサにとっては大事な一人息子。
息子を大事に思う母親なら、子供を危険な目に合わせたくないというのが親心でしょう。
そのためナルシッサは初め、スネイプに命令を撤回してくれるようヴォルデモートを説得してほしいというお願いをしに来ました。
しかし、スネイプであれ誰であれ、ヴォルデモートを説得できる者などいません。
スネイプは、命令を撤回するよう説得することはできないが、安全に任務を遂行できるように助けることはできると言います。
すると、ナルシッサが「破れぬ誓いを結んでくれ」と言い出したのです。
ナルシッサの姉であるベラトリックスはスネイプのことを信用していませんでしたから、まさかスネイプが破れぬ誓いを結ぶとは思っていませんでした。
しかし、スネイプはベラトリックスの予想に反して破れぬ誓いを結ぶことに同意します。
破れぬ誓いとは、魔法界で使われる強力な魔法の誓いで、もし誓いを破れば死んでしまうというもの。
スネイプは、ナルシッサに対し「ドラコを見守ること」「そしてドラコが任務に失敗しそうな時はドラコの代わりに任務を遂行すること」つまり、「ダンブルドアを殺害すること」を誓ったのです。
ボージン・アンド・バークスとドラコの計画
『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で、ハリーたちがダイアゴン横丁を訪れた際、
ハリーとハーマイオニー、ロンの3人は母親と一緒に来ていたドラコ・マルフォイと遭遇します。
しかし、二度目にマルフォイを見つけた時には、母親を撒いた後でした。
そこでハリーは、なぜマルフォイが母親を撒いてまで一人で行動しているのだろうと、マルフォイの行動を怪しみ、追跡することに。
すると、マルフォイが夜の闇横丁のボージン・アンド・バークスに入って行くところを目撃。
ハリーたちは、フレッドとジョージの発明品の伸び耳を使って、ドラコと、店主であるボージンの会話を盗み聞きします。
その会話からハリーたちは、
- ドラコが何かを修理したがっていること
- ボージンの店にある物も厳重に保管するよう命じたこと
を知ります。
マルフォイがこの時購入し、修理したがっていた物こそが、姿をくらますキャビネット棚でした。
この時点ですでに、キャビネット棚を使ってダンブルドア殺害の計画を遂行しようとしていたのです。
ハリーがホグワーツ特急の中でドラコの会話を盗み聞きした時も、ドラコは
「僕は来年はホグワーツにいないかもしれない」
「もっと次元の高い大きなことをしているかもしれない」
と、ヴォルデモートに奉仕することに対して誇らしげな様子でした。
マルフォイの計画
マルフォイはホグワーツの新学期が始まると、さっそく必要の部屋で姿をくらますキャビネット棚の修理に取り掛かります。
映画でも少し描写がありますが、原作小説では、ドラコがデスイーターになったのだと疑っていたハリーはしつこいくらいにマルフォイの追跡を試みていました。
しかし、ハリーが忍びの地図を眺めても、マルフォイはいつもどこかに消えてしまいます。
マルフォイは必要の部屋の中でキャビネット棚の修理をしていたため、ハリーは忍びの地図上でマルフォイを見つけることができなかったのです。
映画では詳しく描写されていませんが、ポリジュース薬を使ってクラッブやゴイルを低学年の女子に変身させ、必要の部屋の外で見張りまでさせる用意周到ぶり。
ハリーは屋敷しもべ妖精のドビーやクリーチャーに尾行を頼み、ようやくドラコが必要の部屋で何かを企んでいることを知ります。
しかし、最後までマルフォイが何をしようとしているかはわかりませんでした。
リンゴや鳥を入れていた理由
キャビネット棚は、先ほど解説した通り、正常に作動していれば対になっているもう片方のキャビネット棚から出てくることができます。
とは言え、ホグワーツにあったキャビネット棚は壊れていたため、完璧に修理できていなければ、モンタギューのように閉じ込められかねません。
最初は生き物ではないリンゴを、そして次は生物である鳥を入れ、ボージンの店に届くのかテストしていました。
最終的にアバダケダブラで殺された状態で届いた鳥。
これは、完全にキャビネット棚が直ったということを表しているのだと思います。
ネックレスや毒入り蜂蜜酒の計画
焦ったマルフォイは、三本の箒の女主人マダム・ロスメルタに服従の呪文をかけ、ボージンの店にあった呪われたネックレスを渡し、さらに、女子トイレに1人で来たケイティ・ベルにそのネックレスを渡させ、ダンブルドアに届くように画策します。
しかし、ケイティがネックレスに触れてしまったことでハリーたちの目の前で宙に浮かび上がり、計画は失敗。
ちなみに、この呪われたネックレスも、『秘密の部屋』の時から登場しています。
その後、またしてもロスメルタを使い、ホラス・スラグホーンがダンブルドアに贈ろうとしていたオーク樽熟成の蜂蜜酒に毒を入れますが、惚れ薬事件で、ロンが蜂蜜酒を飲んでしまったことで、またも計画は失敗してしまいました。
マルフォイが泣く理由
『謎のプリンス』でマルフォイがしょっちゅう泣いていたのは、
もし計画を失敗すれば殺される
と思っていたから。
当初はヴォルデモートから直々に、重要な役割を与えられたと鼻高々だったマルフォイでしたが、姿をくらますキャビネット棚の修理もなかなか上手くいきません。
他にダンブルドアを殺す手段として用意したネックレスや毒入り蜂蜜酒も失敗に終わり、どんどん追い詰められ、憔悴していきます。
嘆きのマートルいわく、この時マルフォイは、1人でしょっちゅうトイレで泣いていました。
そもそも、ダンブルドアを殺害することは、ヴォルデモートでもなし得ない無理難題。
そんな無理難題を命じられたということは、(ヴォルデモートは)最初から自分に計画が遂行できるとは思っていないのでは?と、ようやく自分がやろうとしていることの無謀さに気がついたのでしょう。
デスイーターの侵入
約1年を費やし、ドラコはとうとうキャビネット棚の修理に成功。
ハリーとダンブルドアが分霊箱を探しに洞窟へ行った日、原作小説ではホグワーツから直接姿くらましせず、ホグズミードまで歩いていき、そこから姿くらましをしています。
透明マントを被っていたため、ハリーの姿には気づいていませんでしたが、ダンブルドアの姿をロスメルタに目撃されることになるのです。
ロスメルタはダンブルドアがホグワーツを留守にしていることをドラコに伝え、ドラコはその間に、必要の部屋のキャビネット棚からデスイーターたちを城に侵入させます。
しかし、ダンブルドアは自分が城を留守にすることから、あらかじめ不死鳥の騎士団のメンバーを城に待機させていました。
そのため、デスイーターが侵入した際、騎士団や、事前にハリーから警告されていたハーマイオニーやロン、ジニーらとの戦いになります。
ロンの兄であるビルが狼人間のグレイバックに顔を傷つけられてしまったのもこの時です。
スネイプによるダンブルドア殺害
ハリーとダンブルドアがホグズミード村に戻ってくると、ロスメルタから、ホグワーツの天文台の塔の上に闇の印が上がっていると告げられます。
これも、ダンブルドアを塔に誘き出す罠だったのです。
ハリーは毒を飲んで弱っていたダンブルドアを箒に乗せ、天文台の塔に向かいますが、すぐにマルフォイがやってきます。
ダンブルドアは一瞬の隙にハリーに呪文をかけ、ハリーは透明マントを被せられたままその場に動けなくなってしまいました。
その後セブルス・スネイプがやってきて、すぐにダンブルドアを殺害してしまいます。
なぜスネイプはダンブルドアを殺したのか?
ダンブルドアは元々、無垢なドラコ・マルフォイに人殺しはできない、人殺しをさせて魂を引き裂いてはいけないと、スネイプに自分を殺害するように命じていました。
さらに、スネイプはドラコの母親であるナルシッサと破れぬ誓いも結んでいます。
ドラコがダンブルドア殺害を実行できなければ、どちらにせよスネイプはその任務を代わりに遂行しなくては自分自身も誓いを破ることで死んでしまうのです。
なぜスネイプがダンブルドアを殺害したのか?について詳しくは、こちらの記事でも解説しています↓
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まとめ
- ドラコがダンブルドア殺害を命じられたのは父親の失態によるヴォルデモートからの報復のため
- ドラコはキャビネット棚を修理してデスイーターを城内に入れようと画策していた
- リンゴや鳥を入れていたのは、キャビネット棚が直っているか確認するため
- キャビネット棚は『秘密の部屋』や『不死鳥の騎士団』の時から登場し、伏線になっている
- 最終的にキャビネット棚を修理してデスイーターを城内に入れることに成功した
『ハリー・ポッター』シリーズは原作小説を読んでいないと難解な部分が結構ありますよね。
『ハリーポッター』シリーズについては詳しく解説&考察しているので、その他の解説&考察記事もぜひ読んでみてくださいね!