『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』にて、優勝カップを持ったハリーとセドリックは『リドルの墓』に連れて来られます。
そこでヴォルデモートと対峙することになったハリーですが、その際にハリーの杖から死んだセドリックやハリーの両親のゴーストのようなものが現れます。
セドリックや両親のゴーストが現れたのは、『直前呪文』というものが関係しています。
今回は、この『直前呪文』について解説していきます!
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『炎のゴブレット』でハリーの両親とセドリックが現れた理由はなぜ?
ハリーはヴォルデモートと決闘することになり、その際にハリーが『エクスペリアームス』の呪文を唱えると、杖がヴォルデモートと繋がり、その繋がりの糸からセドリックや両親のゴーストのようなものが現れます。
何気なく見ていたあのシーンですが、よく考えればなぜあそこからセドリックと両親が登場したのか?不思議に思いますよね。
ちなみに、原作ではハリーの両親とセドリック・ディゴリーだけではなく、老人とバーサ・ジョーキンズも出現しています。
ハリーはホグワーツに戻った後、ダンブルドアにこの事象について説明すると、『直前呪文』であると説明されます。
直前呪文とは?
ここで出てきた謎の言葉、『直前呪文』
『直前呪文』は、『呪文逆戻し呪文』とも言われており、兄弟杖が攻撃しようとすると、どちらかの杖がもう1本の杖に対して直前に使った呪文を吐き出すという現象が起こります。
ヴォルデモートが殺した人物が現れた
直前呪文では杖が使った呪文が吐き出されるため、ヴォルデモートが杖を使って殺した犠牲者たちが新しい順(直近で殺された順番)に出てきたのです。
まず直近で死の呪いをかけて殺したセドリック・ディゴリーが現れ、その次に『老人』が出てきます。
この老人は、ヴォルデモートがリドルの館で殺したフランク・ブライスですね。
ハリーはフランクの名前を知らないので、『老人』と言っています。
その次に、フランクの前に殺された魔法省の役人、バーサ・ジョーキンズ。
バーサ・ジョーキンズは、バーティ・クラウチJr.が生きていることを発見し、バーティ・クラウチに忘却術をかけられ、そのせいで休暇を取得し、アルバニアの森で行方不明になった魔女です。
バーティ・クラウチJr.については、こちらの記事にて詳しく解説しています。
バーサ・ジョーキンズはアルバニアの森付近でピーター・ペティグリュー(ワームテール)を発見し、ワームテールがバーサをヴォルデモートの元へ連れて行きます。
そして、服従の呪いをかけ、その後用無しとなったバーサはヴォルデモートに殺されてしまいます。バーサを殺した際に、蛇のナギニを分霊箱にしたとも言われています。
分霊箱についてはこちらの記事にて詳しく解説しています。
そして、それ以前に殺された者、それがハリーの両親ですね。ハリーの両親が殺されたのは、ヴォルデモートが肉体を失う前。
バーサの以前に殺されたのがハリーの両親だったため、ハリーの両親も現れたのです。
ヴォルデモートとの繋がり(杖と杖の繋がり)を持続していれば、もっと多くの犠牲者が現れたであろうと、ダンブルドアは語っています。
ゴーストではなく『こだま』
ちなみに、セドリックや両親のゴーストではなく、”こだま”であると解説しています。
生前の姿にそっくりに保っている状態で現れたのです。
こだまの意味としては、
山や谷で声や音が反響して聞こえてくるもの。山びこ。
と定義されています。
ゴーストは魂を持っていますが、こだまは生前の姿かたちや性格を象った”姿”が現れたと考えれば良いのだと思います。
ややこしいですが、ゴーストだったり、生き返ったわけではないということです。
なぜハリーとヴォルデモートの杖が繋がったのか?
そして、なぜハリーとヴォルデモートの杖が繋がったのか?についてですが、これはハリーとヴォルデモートの杖が『兄弟杖』だからですね。
ハリーとヴォルデモートの杖はなぜ兄弟杖になったの?
ハリーとヴォルデモートの杖が兄弟杖になった理由には、『分霊箱』というものが関係しています。
ここからは『ハリー・ポッターと謎のプリンス』以降のネタバレになるので、ネタバレしたくない方はご注意ください。
分霊箱とは、簡単に説明すると『不死身になるための魔法』です。
殺人を犯すことによって自分の魂を分裂させ、その魂を『物』に閉じ込めます。
分霊箱についての解説は長くなるのでこちらの記事を参考にしてください。
その分霊箱ですが、ヴォルデモートは期せずうちにハリーのことを自分の分霊箱にしてしまったのです。
ハリーが1歳の時にハリーのことを殺そうとしたヴォルデモートでしたが、ハリーの母親がかけた『護りの魔法』によって、自分自身に死の呪いが跳ね返ってしまいます。
死の呪いによって自分自身を殺してしまったのです。
魂を分裂する際には、『殺人』を犯す必要があります。
この時自分自身を殺してしまったヴォルデモートは、知らず知らずのうちに自分の魂を分裂し、ハリーの中にその分裂した魂が入ってしまったのです。
こういった経緯から、ハリーの中にはヴォルデモートの魂の一部が存在する状態になってしまったのです。
兄弟杖が選ばれる
ハリーの中にヴォルデモートの魂の一部が入っていたことから、ハリーがオリバンダーの店で杖を選んだ時に、ヴォルデモートの杖の兄弟杖が選ばれるという、とても珍しい現象が起きました。
ハリーとヴォルデモートの杖には、同じ不死鳥の尾羽が使われています。
ちなみにこの不死鳥は、ダンブルドアが飼っている『フォークス』という不死鳥の尾羽になります。フォークスは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』でハリーにグリフィンドールの剣を届けたあの不死鳥ですね。
ハリーの杖は柊と不死鳥の羽根、28cmの杖。
ヴォルデモートの杖はイチイの木と不死鳥の羽根、34cmの杖。
兄弟杖はお互いに攻撃することができない
ハリーどヴォルデモートの杖には、同じ不死鳥の尾羽が使われている兄弟杖です。
兄弟杖は、お互いに攻撃することができないという性質があります。
そのため、ハリーもヴォルデモートも、お互いの杖でお互いを傷つけることはできないのです。
図にするとこんな感じ↓
直前呪文は兄弟杖のみで起きる現象
先ほど冒頭で解説した『直前呪文』は、兄弟杖が互いに攻撃しようとした時に怒る稀な現象です。
兄弟杖は互いに攻撃することができません。
と、このような理由から、ハリーの杖とヴォルデモートの杖は繋がり、その後『直前呪文』が作動。
『直前呪文』により、ヴォルデモートが過去に使った呪文が最近のものから現れ、殺された犠牲者たちが”こだま”となって現れたという訳です。
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まとめ
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でハリーの両親のゴーストのようなものが現れたのは『直前呪文』による現象
- 『直前呪文』とは、兄弟杖同士が攻撃した時に起きるとても珍しい現象
- ハリーとヴォルデモートの杖が『兄弟杖』になったのは、ヴォルデモートの分霊箱が原因
『ハリー・ポッター』シリーズは原作小説を読んでいないと難解な部分が結構ありますよね。
『ハリーポッター』シリーズについては詳しく解説&考察しているので、その他の解説&考察記事もぜひ読んでみてくださいね!