近年の日本のドラマと言えば、「つまらない」「レベルが低い」などと言われ、全体的にドラマを視聴している人も少なくなってきている印象です。
日本のドラマがつまらない理由はなぜなのでしょうか?
海外ドラマと比べてレベルが低い理由などについても考察してみました。
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出演者の問題
まず第一に考えられるのは、出演者の問題です。
日本のドラマでは、
- 流行っている人
- 事務所が売り出したい人
が出演することがほとんどです。
実際に演技力が高い人が主演を務めることが皆無。
もちろん、若手女優や俳優にも演技が上手い方もいますが、ほんの一握り。
演技がイマイチ、経験もないのに主演を務めているような女優俳優が多すぎることがそもそもの問題です。
また、脇役となるような役者にも、どこぞのアイドルや芸人など、演技力が皆無な人ばかりを起用。
結局理由としては、
芸能事務所とテレビ局の癒着
という部分が大きいと思います。
芸能事務所が大きな権力を持っているため、テレビ局側もイチオシされる俳優や女優を起用しないわけにはいきません。
日本テレビの月曜深夜のドラマ枠なんかは、完全に『ジャニーズ枠』になっています。
もうこれは完全にテレビ局と芸能事務所の癒着としか表現のしようがありません。
また、そもそも俳優や女優になる人の”質の低下”ということも無視できません。
アイドルグループから卒業したアイドルが、事務所の力やコネを使って、演技力もないのにドラマ出演、さらには主演。
一所懸命に俳優、女優を志して演技を勉強している方々がバカにされたような気持ちになります。
日本のドラマ、というより芸能界そのものが、正規ルートから俳優や女優を目指せるような業界ではなくなっているというのがそもそもの問題だと思います。
- 大きな事務所に入ること
- モデルやアイドルなどで下積みをしてコネを作り地名度を上げること
主たるこの2つの方法で俳優、女優になっている人が多い印象です。(特に今の若手)
劇団に入り、演技を勉強してテレビドラマや映画に出演するようになった俳優さん、女優さんというのは、もっと上の世代で終わっています。
今の若手俳優、女優の中で、そんな正規ルートで俳優、女優になっている人がどれだけいるでしょうか。
事務所がゴリ押ししたい俳優女優、ただ単に流行っている俳優女優を起用するのではなく、ドラマの脚本に見合った俳優や女優をオーディションで決める(もちろんコネなし、出来レースなしで)ということをしない限り、日本のドラマの質の低下は避けられないでしょう。
海外ドラマに出演する俳優/女優には代表作がある
反する海外ドラマを例に挙げると、海外ドラマって、そのドラマに出演したから有名になった人ばかりなんですよね。
日本のように、元々アイドルやモデルで有名になってからドラマ出演や主演ではなく、無名段階からいきなりドラマに出演するわけです。
もちろんオーディションに受かって出演する場合もあれば、脚本家や監督が出演者を決める場合もあります。
例えば、
サラ・ジェシカ・パーカーと言えば
『セックス・アンド・ザ・シティ』
キット・ハリントンと言えば
『ゲーム・オブ・スローンズ』
ウェントワース・ミラーと言えば
『プリズン・ブレイク』
ガブリエル・マクトと言えば
『SUITS/スーツ』
と言うように、それぞれのドラマ名でパッと名前が思い浮かぶのが普通です。
サラ・ジェシカ・パーカーやガブリエル・マクトはそれ以前のキャリアもありますが、やはり世界的に有名になったのは出演したドラマが大ヒットしたから。
キット・ハリントンは完全に『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演したことで超有名俳優になりました。
日本のドラマと違ってシーズンが長期に渡るという事もありますが、代表作があると完全にそのドラマのイメージで定着しているというのも日本のドラマと海外ドラマが違うと感じる部分の1つですね。
脚本の問題
日本のドラマがつまらない原因には、脚本の問題もあると思います。
『脚本家が悪い』と一概に言うつもりはありませんが、基本的にドラマの話数が少なすぎます。
日本のドラマは1年間で4クール、だいたい1つのドラマごとに10話程度で最終回を迎えます。
1つの小説や漫画など、原作を元に脚本を作る場合でも、10話に話を凝縮するとかなり薄っぺらい印象になってしまいますよね。
重要なシーンを端折ったり、内容を改変しすぎて、原作ファンからも怒りの声が挙がることも少なくありません。
もしこれが1クール20話くらい放送し、さらに2シーズン、3シーズンと繋げて行くのであればもっと面白い作品にできる可能性もあると思います。
しかし、テレビ離れが深刻な現在、人気が出るかどうかわからないドラマにリスクを冒したくない・・・と言うのがテレビ業界の本音なのではないでしょうか。
それを考えると、ある意味テレ朝ドラマは優秀だと思いますけどね。
- 『相棒』
- 『遺留捜査』
- 『科捜研の女』
など、根強いファンがいる定番シリーズが定期的に放送されてますからね。
最近放送されたドラマの場合、『あなたの番です』も2クール放送され、そこそこ良い感じに展開していましたが、ラストが残念すぎましたね。
あれは完全に脚本がダメだったと思います。
テスト期間がないことが問題
また、日本のドラマでは海外ドラマと違い、テスト期間がないという事も問題ではないかと思います。
海外ドラマの場合は、日本のドラマのように放送期間など決められていません。
そのため、一度放送した後に3ヶ月程視聴率の変化を見るそうです。
視聴率が悪ければ即打ち切りになります。
そのため、『海外ドラマ』として日本人や各国の方に知られているドラマはほとんどがそのテスト期間を突破したドラマのみ。
日本のドラマの場合、最初から1クール10話程度でストーリーが終わるように設定されています。
そのため、脚本も最初から10話分しか書かれておらず、薄っぺらい内容で終わってしまうのです。
もちろん、海外ドラマのように『つまらなかったら打ち切り』になってしまえば、その後のために書いていた脚本も無駄になってしまいます。
が、逆を言えば面白くて人気が出れば、何年も継続してシリーズ化されるヒット作になるということ。
ヒット作を生み出すために、脚本家や監督も必死になりますよね。
日本のドラマは、海外ドラマのような必死さ、本気さが薄れているのではと感じます。
だって、面白くても面白くなくても、脚本料はもらえるし、1クールは確実に放送されるんですから。
演出の問題
日本のドラマがつまらない理由として、演出の問題も見逃せません。
というのも、日本のドラマと一言に言っても、昔のドラマには面白い作品もたくさんありました。
面白い・・・というより、表現が過激だったと言っても良いかもしれません。
扱い辛いテーマを扱ったものや、ゴールデンタイムのドラマでも、人気俳優や女優が体を張って脱いでいたりなど。
表現が過激で現在では再放送できないような作品も多々あります。
しかし、現代では過激な表現があればすぐにテレビ局にクレーム。
また、テレビ局はスポンサーがお金を出すからこそ成り立っているため、スポンサーからNGが入れば放送することができません。
そういった大人の事情もあり、過激な表現ができないということもドラマのつまらなさを加速させているのだと思います。
日本のドラマの表現が『幼稚』であると言われることもありますが、大人が見るようなドラマでも大人向けの表現ができないということが第一の原因ですよね。
良くも悪くも、テレビ局が当たり障りのないドラマしか作らなくなったことも原因の1つかなと思います。
予算の問題
また、先ほどのテレビ局の大人の事情と通じる部分ですが、予算の問題も大きいですね。
とにかく現在のテレビ局はお金がありません。
『昔に比べてバラエティ番組がつまらなくなった』
などもよく言われますが、完全に予算の都合もあると思います。
もちろん過激な表現や演出ができないということも関係していると思いますが、予算の問題も大きいと思いますね。
海外ドラマの場合は、1エピソードに10億円以上の金額をかけているとも言われています。
1シーズンじゃなくて、1エピソードですよ!!?
出演者のギャラはもちろん、VFXなどのCG映像を作成する関係でも膨大な金額がかかるようです。確かに、日本のドラマとは比べ物にならない豪華さですよね。
日本のドラマはと言うと、民法のテレビ局でかける1話あたりの予算は2000万円〜5000万円程度。
・・・・ていうか、あの程度で2000万円〜5000万円もかかっているなんて逆に驚き・・・。
海外ドラマとは10倍以上の違いがあります。そりゃあクオリティが違うのも納得です。
まとめ
役者の問題、脚本の問題、テレビ局の問題など、様々な理由を挙げてきましたが、総合的に判断するとこれらすべてを改善しない限り、日本のドラマは面白くならないと思います。
コネや芸能事務所からのゴリ押し役者を起用するのを一切やめ、予算をかけ、脚本家も本気になり、マーケティングを行う。
当たり前のことなのに、当たり前のことができていないから、日本のドラマの質はどんどん低下しているのだと思います。
日本のドラマにもううんざり!という方は、ぜひ海外ドラマを視聴してみてください。
もう日本のドラマには戻れませんよ。