『ファンタスティック・ビースト』シリーズで重要人物となるゲラート・グリンデルバルド。
特に2作目の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、グリンデルバルドの集会の様子が描かれるなど、若干異様な雰囲気が感じ取れましたが、結局グリンデルバルドは何をしたいのでしょうか?
今回は、グリンデルバルドの目的や野望について。
また、モデルになったのはヒトラーなのか?についても解説していきます。
もくじ:好きなところに飛べます
グリンデルバルドの目的や野望とは?
まずは、グリンデルバルドの目的や野望について解説していきます。
結論から言うと、グリンデルバルドの目的は、
ということです。
グリンデルバルドはこの目的について、
『大いなる善』
と表現しています。
グリンデルバルドが目的を語る特徴的なシーンとして、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の最後のシーンで、まだグレイブス長官の姿ではありましたが、
“その法律のせいで、我々はドブネズミのようにコソコソと本当の自分を押し殺して生きねばならない。正体を知られないようにと、常にビクビク怯えていなければならない。ひとつお聞きしたい、議長。皆に聞きたい。誰を守るための法だ?我々か?彼らか?俺はもう従えないね“
引用:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』作中より引用
要するに、
というような発言をしています。
グリンデルバルドは、『国際魔法使い機密保持法』に強く反対していました。
国際魔法使い機密保持法は、魔法使いの存在をマグルに知られないようにするための法律です。
マグルの前で魔法を使ってはならないというのが代表的ですね。
しかし、グリンデルバルドは魔法使いこそが賢く、マグルよりも強い、強力な存在であると考えていました。
そのため、マグルから隠れてコソコソ生きるのはおかしい、隠れて生活する必要はなく、マグルを征服して自分達に従わせれば良いのだと考えていたのです。
そして、『階級社会』を作り出し、魔法使いがマグルよりも格上であるという階級を作るべきだという考えも持っていました。
死の秘宝の探求
マグルの征服と同時にグリンデルバルドが追い求めていたのは、『死の秘宝』です。
死の秘宝は3つあり、
ニワトコの杖 | 世界最強の杖 |
蘇りの石 | 死んだ者を蘇らせる石 |
透明マント | 敵から隠れることができるマント |
以上の3つです。
グリンデルバルドは、マグルを征服すると同時に、自分自身が最強の魔法使いになることを望んでいたのだと考えられます。
そして、実際にグリンデルバルドはニワトコの杖を手に入れています。
グリンデルバルドが所有する以前にニワトコの杖を所有していた杖作りのマイキュー・グレゴロビッチから、まだ青年のグリンデルバルドが杖を盗み、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』ではニワトコの杖を使用しています。
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グリンデルバルドは、さらに『蘇りの石』を使って『亡者の軍団』を作ろうと考えていました。
『亡者』とは、死んだ者。
つまり、幽霊のような存在ですね。
この辺についてはまだ明らかになっていませんが、今のところグリンデルバルドが『蘇りの石』と『透明マント』を手に入れたという情報はありません。
おそらく、グリンデルバルドは生涯の中でニワトコの杖のみを手に入れたのではないかと考えています。
もしその他の死の秘宝を手に入れていたのならば、グリンデルバルドとダンブルドアが決闘し、その後グリンデルバルドが敗れた際に、ダンブルドアが死の秘宝3つを手にしていたはずです。
そうなれば、『ハリー・ポッター』シリーズのストーリーと辻褄が合わなくなってしまいます。
グリンデルバルドはなぜオブスキュラス(クリーデンス)に執着するのか?
グリンデルバルドの最終的な目的についてはおわかりいただけたと思いますが、グリンデルバルドはなぜクリーデンス・ベアボーンに執着しているのか?という部分も謎ですよね。
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グリンデルバルドがクリーデンスに執着しているのは、クリーデンスがオブスキュリアルだからです。
- オブスキュリアル=オブスキュラスを宿している者のこと
グリンデルバルドは、オブスキュラス(オブスキュリアル)を使えばダンブルドアを殺すことができると考えています。
グリンデルバルドがオブスキュリアルであるクリーデンスに執着するのは、ダンブルドアを殺害するためです。
グリンデルバルドとダンブルドアは、『血の誓い』を立てています。
ダンブルドアと
『お互いに戦わない』
ということを誓い合っています。
そのため、グリンデルバルドとダンブルドアは戦い合うことができません。
戦うことができないことは、グリンデルバルドにとっては非常に都合が良いのですが、グリンデルバルドは、ダンブルドアは自分と直接戦うことができなくても自分(グリンデルバルド)を止めることができる力を持っていると考えています。
そのため、自分の脅威(邪魔)になるダンブルドアを殺さなくてはと考えているんですね。
しかし、自分の力で直接ダンブルドアを殺すことはできない(血の誓いがあるため)
そのため、オブスキュラスという強力な魔力を使うことで、ダンブルドアを殺そうと目論んでいるのです。
そのためには、オブスキュラスを保持するオブスキュリアルが必要。
オブスキュリアルであるクリーデンスに、ダンブルドアに恨みを抱くように仕向ければ、クリーデンスのオブスキュラスが爆発し、オブスキュラスの力によってダンブルドアを殺すことができる。
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の最後に、グリンデルバルドがクリーデンスに、
- クリーデンスはダンブルドアの弟である
- アウレリウス・ダンブルドアだ
と告げたのはこのためです。
意図としては、ダンブルドアが弟であるクリーデンスを見放した、見捨てたためにクリーデンスがひどい生い立ちになってしまった・・・
というような恨みの感情を抱かせるためであると考えられます。
ちょっと分かりづらくなってしまいましたが、まとめると、
- マグルを征服し魔法使いに都合の良い階級社会を作ること
- 死の秘宝を手に入れて最強の魔法使いになること
- 上記2つの目的達成のために、邪魔になりそうなダンブルドアを殺すこと
- ダンブルドアを殺すためにオブスキュリアルであるクリーデンスを利用すること
以上が、グリンデルバルドの目的であると考えられます。
グリンデルバルドのモデルはヒトラー?
そんなグリンデルバルドですが、グリンデルバルドのモデルはヒトラーなのでは?と言われているようです。
あと、グリンデルバルドの演説はなんとなくヒトラーみを感じたのが正直な感想……なんだろうね、ドイツ人主義みたいなところと純血主義なところ似てませんか?
— うる@MP:J76👼😈 (@u_rrmmh) January 29, 2019
ヒトラーってなんかグリンデルバルド感あるよな
— ~( C ・>あいびー (@no6monkycrow) January 6, 2019
確かに、グリンデルバルドもヒトラーのように信奉者を集めて、絶大な影響力を持っていますよね。
グリンデルバルドのモデルはヒトラーなのでしょうか?
ヒトラーとグリンデルバルドが敗れた時期が一致
まず第一に発見したヒトラーとグリンデルバルドの共通点ですが、敗北した時期が一致しています。
グリンデルバルドは1945年にダンブルドアとの伝説的な決闘の末に敗れ、その後ヌルメンガードに幽閉されることとなりました。
そして、対するアドルフ・ヒトラーは、1945年にドイツ国政府が崩壊し、ヒトラーは自殺したと言われています(諸説あり)
1945年という年数が一致していますね。
これは偶然とは考えにくいのでは?と思います。
ヒトラーと同様に話術に長けている
まずモデルなのでは?と言われる理由としては、ヒトラーと同様、グリンデルバルドの話術がすごいと言われています。
では、ヒトラーの話術とグリンデルバルドの話術には、どんな共通点があるのか見ていきましょう。
オーバーなジェスチャー
まずは、オーバーなジェスチャー。
ヒトラーはオーバーなジェスチャーを取り入れることで、自分の発言の説得力を増し、聴衆を惹きつけていたと言われています。
対するグリンデルバルドも、その場をぐるぐると歩きながら、ジェスチャーをして聴衆に語りかけています。
映像では一部のみですが、映画を見るといかにグリンデルバルドがジェスチャーを取り入れながら聴衆を惹きつけているのかが分かります。
抑揚をつける
さらに、グリンデルバルドの演説の中では、言葉の1つ1つにかなり抑揚をつけています。
静かな声で話したかと思えば、今度は声を大にして語り始める。
私たちが普段誰かと話をするときも、ずっと抑揚のない喋り方をされるよりも、抑揚をつけて話す方がより話に聞き入ってしまいますよね。
もちろん、この『抑揚』のテクニックは、ヒトラーも使っていたテクニックの1つです。
演説の前半〜後半まで、かなり声のトーンが違いますよね。
共通の敵を作り自分の正義を正当化する
ヒトラーとグリンデルバルドの共通点として、『共通の敵を作る』という部分もあります。
ヒトラーは、ユダヤ人を『悪』として、『我々の敵である』と語りかけました。
ユダヤ人を迫害し、国民の共通の敵とすることで、国民の一致団結を図り、それを指揮する自分への信頼を勝ち取ったのです。
グリンデルバルドも同様、マグルが敵であると思わせるような発言をしています。
それにプラスして、
『マグルを嫌っているわけではない』
と発言し、自分たちの行いを正当化しています。
さらに、グリンデルバルドは魔法族こそが強く賢い種族であり、マグルはそれに劣る存在であると考えています。
この点もヒトラーと同じく、ヒトラーは白人至上主義者であり、アーリア人(宗教的な背景からドイツの優勢民族と考えられていた)とユダヤ人の血が混ざることを否定していました。
ユダヤ人=劣等民族
と考えていたのですね。
この点もまさしくグリンデルバルドとヒトラーの共通点だと考えられます。
刺激的で覚えやすいワンフレーズ
さらに、ヒトラーもグリンデルバルドも、聴衆が覚えやすいような、耳に残る刺激的なワンフレーズを繰り返すという点でも似通っています。
グリンデルバルドは、
『より大きな善のために』
というスローガンを掲げ、演説の中でも必ずこの言葉を使っています。
ヒトラーも、短いフレーズを繰り返し、聴衆にその言葉を刷り込んでいました。
代表的な言葉として、
私は全ドイツ人に義務を全うするよう期待する。また必要ならいかなる犠牲も払うよう期待する。
我々は敵を絶滅する。根こそぎに、容赦なく、断固として。
私は間違っているが、世間はもっと間違っている
などの言葉があります。
ヒトラーは訴えたい内容を短いフレーズにして、さらにそのフレーズを繰り返すことで、聴衆に植え込んでいきました。
夕方に演説を行う
さらに、グリンデルバルドとヒトラーの演説の共通点は、『夕方』に行うという点。
グリンデルバルドの場合は夜っぽい時間帯でしたが、とにかく午前中には行わないという点です。
なぜか?
心理学を学んでいる方ならもちろんご存知だと思いますが、人間は午前中〜お昼にかけてが意思決定力のピークとなり、夕方以降は判断能力が低下すると言われています。
普通に朝起きて、日中仕事をして、夜に寝る生活の方ならご理解いただけると思いますが、夕方って1日の中で疲れがピークになる時間帯ですよね。
仕事を終えて、『は〜疲れた』となるのが夕方〜夜にかけての時間帯です。
そんな人間の判断能力が低下している時間帯に演説を行うことで、
「もしかしたらこの人が言っていることが正しいのかも?」
と思わせることができるんですね。
そして、ここまで挙げてきたテクニックを駆使して、この「正しいかも?」という気持ちを「正しいんだ!」という確信に変えさせるのです。
ヒトラーもグリンデルバルドも、これらのような人間の心理を利用して演説を行っている点ではかなり似通った部分が多いですね。
ヒトラーとグリンデルバルドはプロパガンダを行っている
要するに、ヒトラーも、グリンデルバルドも、どちらも
を行っているのです。
プロパガンダの技術は色々とありますが、簡単に言うと人を動かす技術のことです。
これを利用することで、人々を自分の思い通りに動かすことができてしまいます。
プロパガンダについて詳しく知りたい方は、こちらの本を参考にしてみてください↓
グリンデルバルドは正しいのか?
また、『ファンタビ』ファンの間では、むしろグリンデルバルドは正しいのでは?との声も上がっています。
@tos
ファンタビ2観てきた
おもろすぎたグリンデルバルドは正しい!!
ところであれは
ニワトコの杖か?— シンパチ@PARACITE DEJAVU 溢れた感情が止まらない朝 (@sulista01) January 1, 2019
確かに、グリンデルバルドの言っている言葉にも一理あります。
マグルが劣等という部分は共感できませんが、(私魔法使えないマグルだしw)
なぜ魔法族は隠れて生きねばならぬのか?という部分は確かに共感できます。
例えば自分が魔法を使えたとして、魔法を使えない種族に隠れてコソコソ生きなくてはならないとなれば、不満を抱えて生きることになりますよね。
なぜ魔法族は隠れて生きなければならないのか?
おそらく、魔法族が隠れて生きているのは、戦争などの争いを避けるためであると考えられます。
人間は自分と違う生き物に対して恐怖を覚えますよね。
同じ人間同士(マグル同士)であっても、違う思想、宗教、政治的な思考を持っている場合、対立関係になってしまうこともあります。
世界中で起きている戦争、紛争なども、根本的にはこう言った思想の違い、宗教の違いなどから起きています。
そのことから考えても、魔法族とマグルが互いに解り合って生活できるとは到底思えませんね。
『ハリー・ポッター』の世界では、マグルとの結婚が許されており、混血の魔法使いも多数存在します。
また、ハーマイオニー・グレンジャーのように、マグルの両親から突然変異で魔法族として生まれてくる場合もありますね。
しかし、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの世界では、まだマグルとの結婚は認められていません。
もし魔法族がマグルの前に姿を表せば、瞬く間に戦争になることが考えられますね。
マグルは魔法族を脅威とみなしますから、魔法族を根絶しようとするわけです。
中世には魔女狩りなんてものがありましたしね。
(ハリー・ポッターの原作では、中世の魔女狩りについて、魔女狩りにあった魔法使いや魔女たちは焼かれる間に魔法を使って暑さを感じないようにしていたなどと記載されていました。要するに、魔法族にマグルが火をつけようとも意味がないということ)
そう言った無意味な争いを避けるために、魔法族は『国際魔法使い機密保持法』を作り、魔法という存在を隠して生活しているというわけです。
なので、グリンデルバルドの思想は、一部正しい部分もあると言えます。
マグルを征服するとは言わずとも、コソコソ生きるのを辞めたいというのは、悪い思想ではないのではないでしょうか。
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まとめ
- グリンデルバルドの目的は、魔法族に有利な階級制度を作り、マグルを征服すること
- グリンデルバルドは、マグルに隠れてコソコソ生きるのはおかしいと他の魔法使いや魔女に訴えかけている
- さらに、グリンデルバルドはオブスキュラスを利用して自分の邪魔になりそうなダンブルドアを殺そうとしている
- グリンデルバルドは、死の秘宝も追い求めており、世界最強の魔法使いになるという野望も持っている
- グリンデルバルドとヒトラーの共通点は、巧みな話術で大衆扇動を行っている点
- グリンデルバルドの主張は、必ずしも全てが間違っているとは言い切れない
『ファンタスティック・ビースト』シリーズが進んでいくにつれ、グリンデルバルドの考え、目的などがもっと明確になっていくかもしれませんね。
その他のファンタビシリーズの考察もぜひ参考にしてみてくださいね!