『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』から登場するドローレス・アンブリッジ。
ハリーたちの天敵の1人ですが、アンブリッジは最後にはどうなってしまったのでしょうか?
アンブリッジのその後や、過去の生い立ちについてもまとめてみました。
もくじ:好きなところに飛べます
ドローレス・アンブリッジのプロフィール
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ドローレス・ジェーン・アンブリッジは、魔法省の役人。
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の時点では魔法大臣の下で、魔法大臣上級次官として働いていましたが、ホグワーツに就任。
ホグワーツでは『闇の魔術に対する防衛術』の授業を担当し、ホグワーツ高等尋問官、さらには校長にまで登りつめました。
ホグワーツでは『尋問官親衛隊』なるものを結成し、生徒にスパイのようなことをさせていました。主なメンバーは、スリザリン寮の生徒。
その他ほとんどの生徒や先生からは嫌われています。
ピンクと猫が大好きで、常にピンクの服を着ています。
原作ではピンクのリボンを頭につけていて、生徒から『ガマガエル』と呼ばれていました。
ドローレス・アンブリッジの目的とは?
そんなドローレス・アンブリッジですが、彼女の目的は一体何なのでしょうか?
ヴォルデモートの復活を隠すことが目的
まず1つ目の目的は、ヴォルデモートの復活を世間に隠すことです。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の最後に、ヴォルデモートはハリーの血を使って復活に成功しました。
そして、ヴォルデモートの復活の際に、セドリック・ディゴリーが殺されてしまいましたね。
ハリーはもちろん、そのことをダンブルドアに話し、魔法大臣だったコーネリウス・ファッジも聞いています。
しかし、ファッジは現実を受け入れることができず、ハリーがでまかせを言っていて、嘘をついて注目を集めようとしているだけだと言います。
セドリックの死については「事故だった」と説明するだけで、ハリーのことを嘘つきに仕立て上げようとしたのです。
ハリーの住むリトル・ウィンジング(マグルの街)にディメンターを送り込んだのも魔法省の仕業。
マグルの世界にディメンターが現れるとは誰も思いませんから、ハリーが嘘をついていると思い、ハリーの発言が全て嘘であるということをアピールすることができます。
ハリーの頭がイカれていると思わせることが魔法省の狙いだったのです。
なぜ魔法省はヴォルデモートの復活を認めなかったのか?
では、なぜ魔法省はヴォルデモートの復活を認めなかったのでしょうか?
魔法省がヴォルデモートの復活を認めなかったのは、魔法省全体の意向というよりは、当時の魔法大臣であるコーネリウス・ファッジの意向です。
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元々は、コーネリウス・ファッジではなく、アルバス・ダンブルドアを魔法大臣にしたら良いのではないかという声が挙がっていました。
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、魔法省の管理下にあるアズカバンからシリウス・ブラックが脱獄してしまいます。
さらに、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、三校対抗試合にて生徒の1人が死んでしまうなど、ファッジの失態続きです。
もしヴォルデモートが復活したなどということが公になれば、なぜもっと早く手を打たなかったのかと、ファッジが魔法大臣に相応しくないのではという声が多くなってしまいます。
コーネリウス・ファッジは、ダンブルドアに自分の地位を奪われることを恐れていたんですね。
なので、自分の失態を隠すためにヴォルデモートの復活について認めようとしませんでした。
魔法省のアンブリッジをホグワーツに送り込んだ理由
魔法省のアンブリッジをホグワーツに送り込んだのは、ダンブルドアが何か軍隊のようなものを作ることを恐れたためです。
ファッジは妄想に取り憑かれていて、ダンブルドアが自分の地位を狙っていると勘違いしていたんですね。
ダンブルドアは何度も魔法大臣にならないかと打診されていますが、それを断っています。
にも関わらず、ファッジは目の前のことが見えなくなっていて、ダンブルドアを完全に敵だと思い込んでいました。
ダンブルドアがホグワーツの校長という立場を利用して、生徒や先生たちで軍団のようなものを結成し、ファッジを魔法大臣の座から引きずり降ろそうとしていると考えていました。
なので、アンブリッジという魔法省の役人をホグワーツに派遣することで、ダンブルドアに好き放題させないようにしたのです。
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アンブリッジが『闇の魔術の防衛術』の授業で、ハリーたちに魔法を使わせなかったのはこのためです。
ハリーたちが防衛術を身につけることで、自分達に対抗する勢力になることを恐れたというわけですね。
ドローレス・アンブリッジは最後やその後はどうなった?
そんなドローレス・アンブリッジですが、最後にはどうなってしまったのでしょうか?
ケンタウロスに襲撃される
本当の最後ではありませんが、原作と映画の最後には、アンブリッジはケンタウロスの群に襲撃されています。
その経緯を時系列に説明すると、以下の通り。
ハリーはヴォルデモートの開心術によってシリウスが魔法省で拷問されている様子を見せられます。ハリーはそれが現実だと思い、どうにかして魔法省に行ってシリウスを助けようとします。
しかし、ホグワーツの煙突飛行ネットワークは全て監視されていて、使うことができません。
アンブリッジの部屋の煙突だけが監視されていないということに気が付いたハリーは、ダンブルドア軍団と共にアンブリッジの部屋に入る作戦を決行します。
が、アンブリッジの部屋の壁にかけられている飾り皿の猫たちが部屋を監視しており、アンブリッジはすぐに自分の部屋に戻って来ます。
そこで、ハリーたちは尋問官親衛隊に捕まってしまったのです。
機転を利かせたハーマイオニーは、アンブリッジに『ダンブルドアが秘密の武器を持っている。禁じられた森に隠している』と言い、アンブリッジを禁じられた森に連れ出します。
もちろん、『秘密の武器』など存在はせず、でっち上げです。
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アンブリッジは途中で嘘をつかれたことに気がつきますが、そこにケンタウロスの群れがやって来ます。
ケンタウロスは禁じられた森が自分達の領土だと思っているので、人間がそこに侵入することを許しません。
にも関わらず、アンブリッジがケンタウロスの1人を捕らえようとします。
怒ったケンタウロスたちは、アンブリッジを森の彼方へ連れ去って行きました。
この時アンブリッジの杖はケンタウロスの蹄で折られてしまったため、アンブリッジはどうなってしまったのやら・・・わかりません。
アンブリッジはアズカバンに投獄される
ケンタウロスに襲撃されたアンブリッジですが、のちに『ハリー・ポッターと死の秘宝』でも再び登場しています。
なので、アンブリッジはケンタウロスに襲われた後、どうにか生還したのだと思われますね。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、再び魔法省にて魔法大臣事務次官の仕事をしていたアンブリッジ。
しかし、ホグワーツの戦いにてヴォルデモートの勢力が失脚したのち、アンブリッジは魔法省でマグル狩りを行い、マグル生まれを糾弾した罪にてアズカバンに収監されています。
アンブリッジはその後ホグズミードで働いていた?
アズカバン送りになったドローレス・アンブリッジですが、刑期を終了後にホグズミード村で働いていたという情報もありますが、詳細については不明です。
もともとアズカバンの看守を務めていたディメンターですが、第二次魔法大戦の際にヴォルデモート側についたことや、その危険性が問題視され、アズカバンの看守から外されています。
そのため、アンブリッジの刑期はそんなに酷いものでもなかったのかもしれませんね。(少なくともディメンターがいないのですから)
ドローレス・アンブリッジの過去の生い立ちは?
そんなムカつくドローレス・アンブリッジですが、過去の生い立ちはどんなものなのでしょうか?
ドローレス・アンブリッジは半純血
純血主義者っぽい節があるドローレス・アンブリッジですが、生まれ育ちはマグルの母親と魔法使いの父親の間に生まれた半純血の魔女です。
純血主義ですが半純血というところは、ヴォルデモートと同じですね。
ヴォルデモートの母親は魔女で、父親がマグル。
アンブリッジの父親は魔法省の魔法省ビル管理部の職員として働いていたそうですが、出世とは無縁の、モップがけなどをする清掃員のような仕事をしていたようです。
母親については詳しいことはわかっていませんが、仲が良くなかったみたいですね。
アンブリッジの母親と父親の仲は悪く、アンブリッジには弟もいましたが、弟は魔法使いではなくスクイブ。
スクイブとは、魔法族から生まれた(魔法族×魔法族 or 魔法族×マグル)にも関わらず、魔法の力を持っていない人のことを指します。
ハリー・ポッター作中で登場するスクイブは、フィッグばあさん、フィルチなど。
スクイブについて詳しくはこちらの記事でも解説しています。
スクイブは、魔法界の中では恥ずべきこととされていて、差別の対象になることもあります。
アンブリッジとアンブリッジの父親は、弟がスクイブになったことを母親のせいにし、母親のことを責め続けました。
のちに、マグルの母親とスクイブの弟は家を出て行き、マグルの世界で生活することになります。その後は一切アンブリッジと会うことはなく、音沙汰はないそうです。
半純血であることのコンプレックスを抱えた学生時代
ホグワーツに入学したアンブリッジは、
スリザリン寮
に入ります。
スリザリンと言えば純血主義の寮というイメージがありますが、純血ではないアンブリッジもスリザリンに入ることができました。
なぜアンブリッジがスリザリンに入ることができたのか、詳しいことはわかっていませんが、
野心的で鋭敏、狡猾、リーダー的で成果主義
という、スリザリンの特徴に当てはまったということでしょう。
半純血でスリザリン寮に入った魔法使いは、
- セブルス・スネイプ
- トム・リドル(ヴォルデモート)
などもいますから、珍しいことではないのかもしれませんね。
学生時代のアンブリッジは、監督生や首席になることもなく、ごく普通の学生時代を過ごしました。
また、当時スリザリンの寮監を勤めていたホラス・スラグホーンからは、『バカな女』と思われていたのだそう。
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さらに、同じ時期にホグワーツに在学していたセブルス・スネイプも彼女のことを嫌っていました。
セブルス・スネイプは1960年生まれで、ホグワーツで教師をしていたのは20代半ば〜30代後半くらいの間。
アンブリッジはもっと年上だと思われますから、おそらく1955年前後に生まれたのではないかと思います。
魔法省に入庁
ホグワーツを卒業したアンブリッジは、魔法省に入庁します。
魔法省職員となったアンブリッジは、人の手柄を横取りして出世街道へ。
さらに、歴代上司に媚を売り、見初められて結婚することも目論んでいましたが失敗。
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アンブリッジは生涯独身です。
コーネリウス・ファッジが魔法大臣だった時、ファッジが弱っている隙を突いて取り入り、見事魔法大臣上級次官まで出世します。
アンブリッジがうざいのはなぜなのか?
そんなドローレス・アンブリッジですが、ハリー・ポッターシリーズ史上類を見ないほどのうざさですよね。
なぜアンブリッジはあんなにうざくて嫌なやつなのでしょうか。
アンブリッジは友達がいなかった
あくまで私の推測になりますが、アンブリッジには友達がいなかったのではないかと思います。
ハリーとロンやハーマイオニー、ダンブルドア軍団のように、仲間と一緒に何かをするということがこれまでの人生で一度も経験していないのではないでしょうか。
そのため、ハリーたちが仲間と一致団結して敵(魔法省やアンブリッジ)と戦おうとする姿が気に食わなかったのではないかと思います。
もちろん、ハリーを嘘つきに仕立て上げたり、軍団を作らせないというのは本来の目的の1つではありましたが、それ以上に自分の『友達がいない』というコンプレックスを刺激されて、より嫌な態度を取っていたのではないかと思いました。
アンブリッジのスリザリン贔屓はなぜ?
学生時代にスリザリン寮に所属していたものの、あまり良い思い出はなかったというアンブリッジ。
しかし、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、スリザリン生をめちゃくちゃ贔屓していますよね。
アンブリッジがスリザリン生を贔屓するのは、おそらく2つの理由があると思います。
- 自分のことを慕ってくれる
- 純血主義者である
という2点です。
まず、本心かどうかは別として、スリザリン生にはアンブリッジは慕われています。
スネイプがスリザリン生にだけ慕われていたのと同じ感覚ですね。
スリザリン生的には、グリフィンドールやその他の寮の生徒に厳しく、自分達には甘い先生が最高の教授であるという考えなのだと思います。(スリザリンは4つの寮の中で孤立した立場という感じですし)
アンブリッジは、グリフィンドールやその他の寮の生徒には厳しく、特にハリー・ポッターに対してひどい態度を取っていました。
マルフォイをはじめとするスリザリンの生徒は、ハリーのことを良く思っていませんから、アンブリッジの思考とスリザリン生の思考が一致していたとも言えますね。
また、スリザリン生はほとんどが純血主義者です。
スリザリン生の親たちもおそらく純血主義者が多く、カロー家やパーキンソン家、グリーングラス家などの聖28一族と呼ばれる純血家系の子供達も多く在籍しているのがスリザリンです。
幼少期から純血主義の思想を刷り込まれてきたとも考えられますよね。
アンブリッジも同じように純血主義な一面が強く、さらには自分の生まれ(半純血であること)に対してコンプレックスを抱いていたため、純潔の象徴とも言えるスリザリンの生徒を気に入っていたのだと思います。
アンブリッジの罰則は問題視されなかったのか?
アンブリッジは、ハリーをはじめとするダンブルドア軍団に対して、ひどい罰則を設けていましたよね。
書き取り罰で、羽ペンで書いた文字が傷として手に刻み込まれるという、なんとも残酷な罰則です。
最初は『ヴォルデモートが復活した』と言い張っていたハリーにのみ罰則を設けており、
『私は嘘をついてはいけない』
という文字を何度も書かせ、ハリーの左手には一生消えない傷としてその傷跡が残りました。
ハリーはひどい罰則を受けたことを、はじめはハーマイオニーやロンにも黙っていました。
弱音を吐いたら負けだと思っていたんですね。
しかし、最終的にはダンブルドア軍団の存在がバレ、DAメンバー全員があの書き取り罰を受けています。あんな虐待じみたことは、保護者に知られたら大問題になりますよね。
ハリーには両親がいない
まず、ハリーの場合は両親がいないため、両親に書き取り罰の存在が発覚して問題になるということはないですね。
ダーズリー一家がそのことを知ったところで、特になんとも思わないでしょうし。
ハリーの場合は両親がいないから問題にならなかったと言えるでしょう。
魔法省という立場が大きい
他の生徒に関しては、おそらくアンブリッジが魔法省の魔法大臣上級次官という立場にあるということが大きな理由であると考えられます。
魔法界での仕事と言えば、代表的なのが魔法省の職員です。
ロン・ウィーズリーの父親であるアーサー・ウィーズリーも魔法省職員ですし、ハリーと恋仲になったチョウ・チャンの母親も魔法省の職員です。
その他、ホグワーツの生徒やダンブルドア軍団の生徒の親は、多くが魔法省に在籍しています。
アンブリッジは魔法省でも権力を握っていましたから、たとえ自分の子供が酷い目に遭わされても文句を言えない、文句を言ったらクビになってしまう・・・ということが考えられますね。
また、生徒自身も、自分の親に言ったところで親が困り、悲しむだけなので言わなかったとも推測できます。
ホグワーツでの罰則は結構酷いものが多い
また、アンブリッジほどではないにしても、ホグワーツでの罰則は結構酷いものが多いです。
『ハリー・ポッターと賢者の石』では、まだホグワーツ1年生だったハリー、ロン、ハーマイオニー、マルフォイの4人が、禁じられた森で罰則を受けるという描写もあります。
普通に考えて危険だと思うんですがww
ホグワーツの罰則では結構危険な物や「それはないだろ〜」というようなものも度々あります。
そのため、親としても『子供が悪いことをしたら罰せられて当然』みたいな考えがあったのかもしれません。
昔は日本の学校でも体罰があり、親も先生の言うことが絶対みたいな考えを持っていたくらいですから、それと似たような感じかもしれません。
実際に、ハリー・ポッターのお話自体は1990年代を舞台にしたストーリーなので、若干現代の考え方とはズレがあると言う要因もあるかもしれませんね。
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まとめ
- アンブリッジはその後アズカバン送りとなり、アズカバン出所後はホグズミードで働いていた
- アンブリッジの目的は、魔法大臣であるファッジの意向でハリーを嘘つきに仕立て上げ、ホグワーツでダンブルドアが軍団などを組織しないように見張ること
- アンブリッジは半純血で、ホグワーツではスリザリン寮に所属していた
- アンブリッジがハリーたちを嫌うのは、自分のコンプレックスを刺激されるから
『ハリーポッター』シリーズについては詳しく解説&考察しているので、その他の解説&考察記事もぜひ読んでみてくださいね!