ジョジョの奇妙な冒険第6部「ストーンオーシャン」のラスボスを務めたプッチ神父は、その性格と多彩なスタンド能力のために、読者に強い印象を残しているキャラクターです。
このコラムでは、プッチ神父の壮絶な過去、スタンドがどのような能力を持っているのか、本編ではどのような方法で倒されしまったか等を解説します。
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ジョジョのプッチ神父のプロフィール
刑務所の教誨師
フルネームはエンリコ・プッチ。
1972年生まれで、作品の舞台になっている2011年では39歳です。主人公、徐倫が収監されているグリーン・ドルフィン刑務所で、教誨師を務めています。
風変わりな性格
物腰は基本的に柔らかく穏和ですが、考え方は自己中心的なところがあり、運命の存在を強く信じている性格です。
「1か自分の数値でしか割り切れない孤独な数だから」という理由から素数を好み、混乱したときは素数を数えることで気分を落ち着かせるという変わった習慣を持っています。
「落ちつくんだ『素数』を数えて落ちつくんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字…わたしに勇気を与えてくれる」 エンリコ・プッチ pic.twitter.com/Pfx7PqPBYv
— ジョジョの名言【画像】bot (@jojo87544480) May 16, 2020
家族の秘密
プッチは裕福な家庭で両親・弟・妹に囲まれて育ちましたが、幼い頃、弟のドメニコを亡くしています。
しかし成長したプッチは、思いがけない事実を知らされることになります。弟は赤ん坊の頃、別の赤ん坊とすり替えられており、本物のドメニコは生きていたのです。このことを、プッチは家族の誰にも教えることなく過ごしていました。
プッチ神父の過去とは?
DIOとの出会い
プッチ神父は少年時代に、ジョジョ第1部と第3部でラスボスだったDIOと出会っています。不自由だった左足を治してもらったことから、彼を敬愛し、スタンドとその知識を授かりました。
妹の死
善良な青年だったプッチの生き方が変わったきっかけが、妹、ペルラの死でした。年頃になったペルラはある男性に恋心を抱きます。
あろうことかその人物は、赤ん坊の頃に他家の赤ん坊とすり替えられていた本物のドメニコでした。
秘密を打ち明けられなかったプッチは、街の何でも屋に頼んでペルラとドメニコを別れさせようとしましたが、何でも屋にリンチされたドメニコが死んでしまったと勘違いしたペルラは、悲しみのあまり投身自殺を遂げてしまいます。
天国を求める
この出来事からプッチは、人間が運命に縛られた存在であることを強く意識するようになりました。
そして運命を認めた上ですべての人類が幸福になれる『天国』に向かう方法を捜し求めるようになったのです。
終盤で明らかになった『天国』の正体、それは『全人類が未来に何が起こるかを予知できるようになる世界』というものでした。
未来に何が起こるか覚悟できてさえいれば、人間は幸せになれるというのがプッチの辿りついた結論だったのです。プッチは自分のスタンドを進化させることによってそうした世界を作り出そうと考えていました。
究極の悪
それまでのジョジョに登場したシリーズボスは基本的に自分本位な性格だったため、それに比べると人類の救済を目指しているプッチ神父は善良なキャラクターであるように思えなくもありません。
しかし、弟のドメニコはプッチのことを、
「自分が悪であることを自覚していない究極の悪」
というような言葉で非難しています。
たしかに、自分が善であるつもりの悪ほどたちの悪いものはないかもしれません。
考えてみると妹を死に追いやった原因はプッチが対応を間違ったからであり、自分の責任から目を背けて全人類を改造するような試みに手を染めているとも言えるからです。
作者の荒木先生も、コミックスの作者コメントなどで、どういうものを悪と呼ぶかについて、「自分の弱さを攻撃に換えたものが一番恐ろしい」というような意味の持論を述べておられます。
プッチ神父は荒木先生の悪に関する考え方を形にしたようなキャラクターだと言えるでしょう。
プッチ神父のスタンド能力は?
作中で、プッチ神父のスタンドは二段階も成長しており、名前と能力が変わっています。
それぞれの能力を簡単に解説します。
第七部スティール・ボール・ランを引き起こした、六部のラスボス、プッチ神父ことエンリコ・プッチのスタンド(幽波紋)「メイド・イン・ヘブン」のデザインについて、下半身が馬になってる…そして、スティール・ボール・ランは乗馬レース pic.twitter.com/BzyB2rOpit
— 飢腹寛ぎ之導き (@katametamono) July 31, 2013
ホワイトスネイク
作中でプッチ神父が最初から使用していた、人間の身体から記憶や能力をディスクに変えて取り出すことができるスタンドです。スタンド能力も抜き取ることが可能です。
ディスクに適合する人間を探してスタンドを使わせることもできます。この能力を活用して、プッチ神父は配下を集めたり、敵の能力を奪い取る等して刑務所を陰から支配していました。
CーMOON
重力を乱すスタンドです。
地面に落ちるはずの物体が天井に落ちていったり、敵の身体を反対向けに裏返えらせたりすることも可能です。
メイド・イン・ヘブン
時間の流れを加速させるスタンドです。
異常なスピードになった時間の流れは最後には宇宙の終わりにまでたどり付きます。
さらに時間が流れると、時間は一巡して元の時代に戻ります。
そのときすべての人間は、未来に何が起こるのかを予測することができるようになっています。この状態こそが、プッチの目指した「天国」でした。
メイドインヘヴン
とにかく一個人の能力にしては壮大すぎる能力なんだけど地球の終焉、宇宙の終焉…この間プッチ神父と生きている全生物はどこに居るのだろう?
エンポリオに純粋酸素吸わされた神父だけどどうやってクエーサーの放つ凶暴なガンマ線バーストから身を守ったのだろう? pic.twitter.com/hW14KjORh7— kid (@kidocch1) December 9, 2019
すさまじいスピードで早送りされる時間にふつうの人間は対応できませんが、プッチだけが普段通りに行動することが可能です。
プッチ神父の倒し方は?
加速能力の強み
ジョジョ6部の後半で、プッチは敵対していた弟、ドメニコを殺害し、メイド・イン・ヘブンの能力で、主人公の徐倫やその父親、承太郎たちを葬ることにも成功しました。
戦闘に関するメイド・イン・ヘブンの強みは、ものすごいスピードで加速を始めた時間に適応して行動できること。その強みを活かしてプッチは徐倫たちに勝利したのです。
少年の反撃
その彼の前に立ちはだかったのが、徐倫の協力者の一人だったエンポリオ少年でした。
エンポリオはスタンド能力でプッチの周辺にある空気を酸素濃度が高い状態に変えていました。濃度100パーセントの酸素は人体にとって猛毒であり、そのせいでプッチの身体は動かなくなってしまいます。
時間を加速させて攻撃する能力への対策は、加速させてもどうにもならない状態に追い込むというものでした。
受け継がれる力
プッチ神父を追いつめた気体を操作するスタンドは、元々エンポリオが持っていたものではなく、プッチに殺された弟、ドメニコ(ウェザー・リポート)のスタンドでした。
ドメニコはプッチに殺されたとき、プッチの能力を利用して自分のスタンドをディスクに変え、徐倫たちに渡していたのです。
このディスクをエンポリオが受け継いだのでした。プッチは殺したはずの弟と、自分自身の能力によって追いつめられたと言えます。
プッチ神父の最後はどうなった?
エンポリオに死の淵へ追いつめられたプッチ神父はメイド・イン・ヘブンの能力が完成するまで猶予をくれるよう懇願します。
能力が発動した時点まで時間が一巡すれば、自分が死んでも人々の予知能力は失われないことが判っていたからです。
しかしエンポリオはその懇願を聞き入れず、プッチにとどめを指します。全人類の救済を目指していた神父は、非力に見えたたった一人の少年の手によって生き絶えたのでした。
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まとめ
以上、今回はジョジョ6部の悪役:プッチ神父について解説しました!
最後はエンポリオに破れてしまいましたが、ジョジョの悪役キャラの中でも風変わりなキャラクターで、良くも悪くも癖のあるキャラでしたね。
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