『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、ハリーたちは分霊箱を探しながらヴォルデモート、デスイーターから逃げる生活を余儀なくされます。
しかし、『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』の冒頭で、ハリーたちは早速デスイーターに見つかってしまいますね。
ハリーたちはなぜデスイーターに見つかってしまったのか?
また、17歳で切れる『におい』についても解説していきます。
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『におい(匂い)の魔法』とは
では、最後に魔法使いにつけられている『におい』について解説します。
『におい』は、未成年の魔法使いにつけられるものであると解説されています。
魔法界の成人年齢は17歳のため、17歳(成人)になった瞬間に『におい』の魔法は解けます。
この『におい』の魔法については、色々と矛盾する点もあるので若干わかりづらいですが、できるだけ詳しく解説していきます。
『におい』の魔法の効果
まず、『におい』の魔法の効果について。
未成年の魔法使いや魔女に『におい』の魔法がつけられているのは、未成年の魔法使いや魔女が魔法を使った際に、”どこで”魔法を使ったのかを判別するためです。
ちなみに、英語では『Trace』と表記されています。
日本語訳では『におい』と表記されていますが、『trace』ですと
『痕跡』『足跡』
というような意味ですから、未成年の魔法使いや魔女たち自身に何かしらのにおいがついているというよりは、魔法を使った『痕跡』を追うことができるという意味ですね。
ハリー移動作戦で姿くらましできなかった理由
この『におい』の魔法があるため、『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』でハリーをプリベット通り4番地から移動させるときに、姿くらましではなく
- ほうき
- シリウスのバイク
- セストラル
などの、魔法を使わない方法でハリーを運び出す必要があったのです。
ここで魔法を使ってしまうと、ハリーにはまだ『におい』がついていますから、ハリーがプリベット通りで魔法を使った時点でデスイーターにハリーの居場所がバレてしまいます。
(魔法省はデスイーターに半ば乗っ取られた形になっていたため)
ただ、大人の魔法使いが姿くらましをするのに付き添う『付き添い姿くらまし』でも、ハリーが魔法を使ったことになるのか?というところは疑問なのですが・・・
未成年の魔法使いが魔法を使えない仕組み
未成年の魔法使いは、学校以外で魔法を使うことを禁じられていますが、未成年の魔法使いが魔法を使ったとわかるのは、この『におい(痕跡)』があるからです。
ハリーがマグルの前で魔法を使ったとして咎められたことは何度かありますね。
場面 | 使った呪文 | 魔法を使った人 |
秘密の部屋 | 浮遊呪文 | ドビー |
アズカバンの囚人 | 杖なしの膨張呪文 | ハリー |
不死鳥の騎士団 | 守護霊の呪文 | ハリー |
ただ、ここで疑問に思うのは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で浮遊呪文を使ったのはハリーではなく屋敷しもべ妖精のドビーであるという点ですね。
『においの魔法』の設定の矛盾については、後ほど詳しく解説していきます。
ハリーたちの居場所がデスイーターにバレた理由はなぜ?
『ハリーポッターと死の秘宝Part1』で、ハリーたちはロンの兄、ビルとフラーの結婚式の途中で、デスイーターから逃れるために隠れ穴を後にして、マグルの世界へ逃げます。
ハリーはすでに17歳の誕生日を迎えた後なので、『におい』の魔法は消えているはずなのに、なぜかすぐにデスイーターに見つかってしまいますね。
なぜハリーたちの居場所がバレてしまったのか?順を追って解説していきます。
そもそもなぜデスイーターにロンの家がバレた?
まずそもそも、なぜロンの家がデスイーターたちにバレてしまったのか?について。
ロンの兄の結婚式で、ロンの親戚や騎士団のメンバーたちが結婚式に参列していると、キングスリー・シャックルボルトという、魔法省で魔法大臣秘書として働いている騎士団のメンバーの1人が、魔法大臣であるルーファス・スクリムジョールが死んだという伝言を、守護霊を使って送ってきました。
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魔法省は完全にヴォルデモートの支配下に
魔法大臣のルーファス・スクリムジョールが死んだことで、完全に魔法省はデスイーター、そしてヴォルデモートに乗っ取られた形になってしまいます。
なぜか?というと、ヴォルデモートに対抗できる勢力がなくなってしまったから・・・と考えるのが自然ですね。
さらに、パイアス・シックネスという、のちに魔法大臣になる人物が、ヴォルデモートの服従の呪いにかけられていました。
そのため、実質上はヴォルデモートが魔法省を牛耳っているという形になったというわけです。
映画では解説されていませんが、ロンの家では結婚式をするために魔法省の力も借りて、デスイーターから保護する魔法をかけていました。
(↑この時点ではもちろんまだヴォルデモートの配下にはなっていません)
そもそもウィーズリー家はマグルびいきのため、デスイーターから目をつけられてた、という理由もありますが、何しろハリーがロンの友人であるということは知られているはずです。
そのため、ロンの家にハリーがいると思い、狙われる可能性があるから、魔法省の力を使って守ってもらっていたというわけですね。
ちなみに、ハリーは映画ではわかりやすいようにそのままの姿で参列していましたが、原作では参列者にもバレないように、ロンの親戚ということで、別人のマグルの少年に変装して結婚式に参列していました。
しかし、デスイーターたちがやってくれば、そんなことは関係ありません。
ハリーたちに限らず、結婚式に参列していた人たちは全員逃げなくてはいけなくなります。
そして、ハリー、ロン、ハーマイオニーは3人で隠れ穴から姿くらまししました。
ハリーたちが姿現しした場所はどこ?
ハリーたちはその後、トッテナム・コート通りというマグルの世界に姿現しします。
なぜその場所を選んだのかというと、ハーマイオニーが咄嗟に思いついたということと、マグルの世界の方がバレにくいと思ったためという理由があります。
しかし、なぜかハリーたちの居場所はデスイーターにバレてしまいましたね。
ハリーたちの居場所がバレた理由
ハリーたちの居場所がバレたのは、結論から言うと『ヴォルデモート』という単語を使ったためです。
デスイーターたちは、ヴォルデモートに対抗する勢力を見極めるために、『ヴォルデモート』というワードを使った者を特定できるようにしたのです。
『ヴォルデモート』は、基本的に『例のあの人』と呼ばれています。『ヴォルデモート』と呼ぶのは、ヴォルデモートに対抗する気持ちが強い者だけです。
もちろんハリーもその1人ですね。
そのため、ハリーたちの居場所を見つけるためにも、『ヴォルデモート』というワードに罠を張るのが手っ取り早いというわけです。
ハリーたちはマグルのカフェで『ヴォルデモート』という単語を使ったため、デスイーターたちに居場所がバレてしまいました。
(ちなみに、『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』の最後に人さらいに見つかったのも、ハリーが怒って『ヴォルデモート』と使ってしまったためです。)
ハリーたちはこの時点では『ヴォルデモート』の単語にかけられた罠については気づいていませんでしたが、後にしばらく『ヴォルデモート』という単語を使わなかったのは、ロンが不吉だからという理由で『ヴォルデモート』という単語を使うことを嫌がったためです。
ハリーはそう言ったロンに対して苛立つ場面もありましたが、結果的にはロンの提案(?)に従っていたためデスイーターに見つからなくて済んだというわけです。
においの魔法の矛盾点
では、先ほどの続きとして、『においの魔法』の矛盾点について解説&考察をしていきます。
『秘密の部屋』での矛盾点
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』にて、ハリーの部屋にドビーがやってきます。
秘密の部屋が開かれることを知っていたドビーはハリーをホグワーツに行かせまいと、わざと魔法を使ってハリーを困らせます。
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この時ハリーは魔法を使っていませんが、ハリーが魔法を使ったとして咎められます。
なぜこの時魔法を使っていないハリーが魔法を使ったとされてしまったのか?と言うと、『におい』の魔法は、魔法を使った”人物”まで特定することはできないからです。
プリベット通りに住んでいる未成年の魔法使いはハリーだけですから、そこで魔法を使った『痕跡』が検知されたとなれば、ハリーが魔法を使ったと思われてしまうということです。
アズカバンの囚人での矛盾点
また、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の時点でも、『におい』の魔法には矛盾点がありますね。
まず、映画で矛盾しているのは、『アズカバンの囚人』の映画の冒頭でハリーが『ルーモス(光よ)』の呪文を唱えている点です。
ハリーは隠れて教科書を見るためにルーモスの呪文を使っていますが、あの時点でハリーは魔法を使っているのに、なんの咎めも受けていません。
しかし、原作ではルーモスの呪文を使うシーンはなく、これは映画オリジナルの演出であり、原作的には矛盾ではないということだけ念頭においておきましょう。
映画版ではおそらく『マグルの面前で魔法を使っていなければOK』という形で演出されていたのではないかと思います。
ハリーがルーモスの呪文を唱えているときに周囲にマグルはいませんでしたから、呪文を使っても咎められなかったということですね。
しかし、その後ハリーはバーノン・ダーズリーの妹のマージおばさんを膨らませてしまい、それは魔法省に知られてしまいます。
この時ハリーは杖を使わず、自分の高ぶった感情によって魔法を発動させてしまいました。
映画だけ見ていると、設定的にかなり矛盾点がありますね^^;
不死鳥の騎士団でハリーが尋問にかけられたのはなぜ?
『におい』の魔法に関してとはちょっとズレてしまいますが、ここで疑問になるのは『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でマグルの前で魔法を使ってしまったハリーでしたが、『不死鳥の騎士団』の時だけ執拗な尋問を受けましたよね。
魔法省のあの態度の違いはなんだったのか?
これについては、ヴォルデモートが関連しています。
当時の魔法大臣は、コーネリウス・ファッジという魔法大臣でした。
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ファッジは、元々はハリーのことを『生き残った男の子』として割と特別扱いしていました。
そのため、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の際、ハリーがマージおばさんを膨らませたのち逃亡したことに関しても、「わざとじゃないから仕方ない」というように大目に見ていたのです。
さらに、あの時はシリウス・ブラックがアズカバンから脱獄したため、ハリーの身の安全を確保するためにハリーをホグワーツに戻す必要があり、退学処分にならなかったとも言えます。
(シリウスは当時ヴォルデモートの腹心だと思われていたため、ハリーの命を狙っていると認識されていました)
しかし、その後『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』にて、ハリーがリトルウィンジングというマグルの世界でディメンターに襲われ、『守護霊の呪文』を発動させます。
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その際に、魔法省からハリーを退校処分とし、さらには魔法省で尋問にかけるという知らせが届きます。
この違いは一体何なのか?
理由はヴォルデモートの復活を認めたくなかったから
炎のゴブレットの最後で、ハリーはヴォルデモートの復活を目の当たりにし、その時にセドリック・ディゴリーも殺されてしまいました。
もちろんハリーは自分が見たことをありのままダンブルドアに話しましたが、魔法大臣であるコーネリウス・ファッジはヴォルデモートが復活したことを認められませんでした。
そのため、
- ハリーが嘘をついている
- ダンブルドアが魔法界を混乱させて魔法大臣の地位を乗っ取ろうとしている
などというおかしな妄想に囚われてしまったんですね。
なので、ハリーが信用に値しない人物であると見せかける必要がありました。
そのため、ファッジやその部下(ドローレス・アンブリッジなど)は、
- わざとリトルウィンジングにディメンターを出現させた
- 日刊予言者新聞にハリーが嘘つきで頭がおかしいと書き立てた
などの行動を取り、世間にはハリーを嘘つきであるという印象を植え付けようとしたのです。
わざとディメンターを出現させ、ハリーが魔法を使ったところを拘束し、ハリーが本当のことを言っても「マグルの世界にディメンターが現れるわけがない」と言って、有罪にするつもりだったのです。
そうすれば、マグルの世界にディメンターが現れるわけがないと思った魔法界の人たちは、ハリーは『頭がおかしくなった』と思い、ハリーがヴォルデモートが復活したと証言しても、その証言の信憑性も疑われるようになるということです。
以上のような理由から、アズカバンの囚人と、不死鳥の騎士団の時に、魔法省の態度が違ったということですね。
魔法族の子供は魔法を使ってもOK?
さらに、原作では解説がありますが、魔法族の子供に関しては『におい』の魔法が正確に発動しないことになっています。
なぜか?というと、魔法を使った痕跡が見つかったとしても、そこに大人の魔法使いもいるからです。
例えば、ロンの家でロンが魔法を使ったとしても、ロンの父母など、すでに成人している魔法使いが同居している場合、誰が魔法を使ったのか判断できませんよね。
そのため魔法省からすると、魔法族を親に持つ子供の場合は、親が子供を監視下に置いているため、親が子供に従わせるのに任せるだけだという解説がされています。
ただここも個人的には、未成年の魔法使いが魔法を『使った』という痕跡が確認されるはずなので、痕跡が現れたということは未成年が魔法を使ったということには変わりないので、その点は矛盾している気がするのですが・・・・。
原作での矛盾点
さらに、『におい』の魔法については原作でも矛盾している点があります。
ヴォルデモートは過去、16歳の時に自分の実父であるトム・リドル、さらにはトム・リドルの父母(ヴォルデモートの祖父母)も殺害しています。
リトル・ハングルトンの村というマグルの村で起きた事件ですから、当然魔法使い、さらには未成年の魔法使いが魔法を使って殺害したということはわかるはずです。
ヴォルデモートの経歴を調べれば、ヴォルデモートが殺害したということは魔法省としても調べがつくと思うのですが、ヴォルデモートが捕まることはありませんでした。
この時のダンブルドアの説明では、『誰が』魔法を使ったのか判別することができないため、結局はヴォルデモートの母親の兄であるモーフィン・ゴーントという魔法使いが殺人の容疑で捕まってしまいました。
しかし、この時モーフィンはとっくに成人しているため、トム・リドルの館から魔法の痕跡が見つかったらおかしいはずなんですけどね・・・・^^;
(だって、痕跡は未成年の魔法使いが魔法を使った時だけ出るものなのに・・・モーフィンが捕まったら完全誤認逮捕でしょ。)
ヴォルデモートの親族関係についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
ヴォルデモートの生い立ちや母親と父親は?トム・リドルの幼少期からの経歴もまとめ
まあこの点については、モーフィンが自分がリドル一家を殺害したと自白した(ヴォルデモートが記憶を操作した)ため、魔法省が深く調べなかったとも言われていますので、若干の矛盾は仕方ないのか・・・・と納得するしかありません(笑)
ということで、『におい』の魔法は結構複雑で矛盾っぽい部分も多いのですが、ハリーがマグルの世界で魔法を使えなかったのはこの『におい』があったためであると納得いただけたでしょうか?
以上のことを踏まえて表にすると、以下のような感じになりますね。
未成年の魔法使いが魔法を使った場合判別できること
どこで使ったのか? | |
誰が使ったのか? | |
何の魔法を使ったのか? |
未成年が使った魔法について、以上のことがわかるということになります。
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まとめ
- においの魔法は、魔法使いや魔女が17歳(成人)になるまでついている魔法
- 未成年の魔法使い・魔女が魔法を使うと『痕跡』が残る
- ハリーたちがデスイーターたちに居場所がバレたのは『ヴォルデモート』という言葉を使ったから
- においの魔法の設定にはかなり矛盾点がある
『ハリー・ポッター』シリーズは原作小説を読んでいないと難解な部分が結構ありますよね。
『ハリーポッター』シリーズについては詳しく解説&考察しているので、その他の解説&考察記事もぜひ読んでみてくださいね!