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キングダム河了貂(かりょうてん)の正体は山の民?親やフクロウの被り物の意味とは

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可了貂(かりょうてん)は飛信隊の軍師として、これまでに何度も隊の危機を救い、秦国の勝利に貢献してきました。

野生の直感で戦う『本能型』の隊長である信は、細かい戦略を練ったり論理的に思考したりするのが苦手ですが、信の足りない部分を補うかのように見事な作戦を次々に繰り出し、隊を勝利に導いてきました。

隊に加わった当初は「よそ者のくせに…」と相手にされませんでしたが、その後ひとつひとつ功績を積み上げていき、今では隊員からも絶大な信頼を得ています。

特に、合従軍との緒戦で万極軍と戦ったとき、散り散りになっていた隊員たちを見つけ出し信の元に結集させて勝利した戦略は見事でした。

また、秦国の覇権を巡って繰り広げられた呂不韋との最終戦で見せた戦術や的確な判断力は、あの昌平君をもうならせるほどでしたね。

可了貂の優れた頭脳と的確な判断力、そして仲間の危機を救うためなら自ら戦場へ突入する勇気は、いったいどのようにして培われたのでしょうか?

ここでは、可了貂の歩んできた道を振り返ると共に、謎に包まれた出自や、常に身につけているフクロウの被り物について考察していきたいと思います。

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キングダムの河了貂(かりょうてん)とは

可了貂は幼少の頃から、ならず者ばかりが棲みついている黒卑村で育ち、5歳のときには唯一の身内だった祖父にも先立たれ、たったひとりで過酷な環境の中を生き抜いてきました。

ならず者たちの見張り役だった可了貂は、村に足を踏み入れる者の居場所を密告することで日銭を稼ぎ、生活の糧にしていたのです。

 

あるとき、黒村の入り口で見張り役をしていた可了貂の前に、信が現われました。

共に天下の大将軍を目指そうと誓った親友の漂を殺され、悲しみに浸る間もなく、息を引き取る前の漂から託された言葉に従って黒卑村にやってきた信を、可了貂はならず者たちに売ったのです。

この時点では、可了貂は信にとっては敵の一味であり、可了貂にとっても信は格好の獲物にしか過ぎませんでした。

ところが信は、襲ってくる者たちを、その規格外れの武力でことごとく返り討ちにしました。

しかし可了貂は、目の前でならず者たちをなぎ倒す信を見て、信も自分と同じように、苛立ちや怒りにもがき苦しんでいると感じたのです。

 

その後信は秦国の王である政に出会うことになるのですが、その直後には嬴政の命を狙った軍勢に追い詰められます。

政が秦国の王である事を盗み聞きした可了貂は、抜け道を案内する代わりに大金を寄越すように持ちかけます。

初めは利害関係だけで結びついた3人ですが、助け合いながら理不尽な敵と戦っていく中で信頼関係も生まれ、戦友としての絆を深めていきます。

 

黒卑村にたったひとりで取り残された可了貂、魂の半身とも言える大切な親友を失って失意のどん底にいた信、敵だらけの王宮から逃れ、生きているかどうかもわからない味方を待ち続けていた政…。

3人はそれぞれ絶望的なくらいの孤独を抱えていましたが、誰よりも信頼できる仲間に出会うことができたのです。

河了貂の正体は山の民の生き残り?

秦は中華本土の最も西側に位置する国ですが、そのさらに西側には広大な山の世界が広がっています。

その山の世界に住む者たちの総称を『山の民(山民族)』といいますが、そこには数え切れないほどの種族が存在しています。

梟鳴族もそのうちの一種族で、可了貂は梟鳴族の生き残りです。

可了貂は、そのことを祖父が亡くなる前に聞かされました。

 

その西側の山の世界で、数百年ぶりに山界を束ねる王として誕生した最強の戦士が楊端和です。

しかし楊端和といえども、山界に住むすべての種族を統一できたわけではありません。

山界の覇権を争って、いくつもの種族が楊端和に挑み続けてきましたが、その中でも梟鳴族は、かなりの強敵だったようです。

王弟の反乱を鎮圧した後には、バジオウの口からも、梟鳴族が大勢力であったこと、激しい戦いの末に楊端和族が勝利し梟鳴族は絶えてしまったこと、そして可了貂は梟鳴族の生き残りであることが語られています。

河了貂の両親や家族は?

可了貂の家族ついては、黒卑村の回想シーンで祖父が登場するだけで、両親や兄弟のことは語られていません。

可了貂が知っているのは、梟鳴族は山を追放になって黒卑村に流れ着いたけれど、自分以外は皆死んでしまったということだけ。

祖父以外の家族が、いつどのようにして亡くなってしまったのかはわかっていませんが、おそらく山の覇を争って楊端和と戦う中で命を落としたのではないでしょうか。

 

バジオウは、梟鳴族は大勢力であり、彼らとの戦いはかなり激しかったと語っていました。

数百年ぶりに山界を束ねる王として誕生した楊端和は、山界の歴史の中でも特筆すべき強さを誇っていたはずです。

そのことを承知の上で梟鳴族は一族のために戦いを挑み、激しい攻防の末に敗れたのでしょう。

 

楊端和は山界を一つにするために戦っていますが、挑んでくる相手に対しては容赦なく叩きつぶします。

山界を束ねる最強の王を相手に梟鳴族は命絶えるまで戦い続けたわけですから、非常に誇り高い民族であったことがうかがい知れます。

 

このときに戦った梟鳴の族長は、可了貂に非常に近しい人物、例えば父親または母親だったのではないでしょうか。

なぜなら、楊端和はバジオウに不可解な命令を下しているからです。

王弟との戦い中で、可了貂が王弟の側近に刃物で刺されてしまうシーンがありましたが、傷ついた可了貂を心配するシュンメンに対して、バジオウはこう言っています。

「その者(可了貂)には構うなと王(楊端和)から命を受けている」と。

 

楊端和らしからぬ冷淡な言葉に聞こえますが、楊端和は戸惑っていたのではないでしょうか。

楊端和は、フクロウの格好をしている可了貂を見て、梟鳴族の生き残りだということに気付かないはずはありません。

それでも「構うな」と命じたのは、楊端和が自ら梟鳴の族長の命を奪ったことで、結果的に可了貂を天涯孤独にしてしまったのだという負い目があったのではないでしょうか。

もちろん梟鳴族の消滅は、両族長が正々堂々と戦った末の結末なのですが、楊端和は、「親の仇である自分には、心を開いてくれるはずがない」と思っていたのかもしれません。

 

しかし王弟との戦いが終わった後、楊端和は可了貂を受け入れることを決めています。

楊端和の心にどのような変化があったのでしょうか。

一歩間違えば命を落としかねない過酷な状況の中で、非力ながらも必死に戦い続けた可了貂に、安心できる居場所を与えてやりたいと思ったのかもしれません。

結果的に可了貂は自分の居場所を信の所に決めましたが、可了貂がすでに自分の居場所を見つけていたことに楊端和は安心し、信に託したのでしょう。

河了貂がフクロウの被り物をしている意味は?

可了貂のトレードマークと言えばフクロウの被り物ですが、これはかつての梟鳴族が身につけていた戦闘服のようなものでしょう。

梟は夜行性で夜目が利くことから『森の忍者』と呼ばれており、また視力や聴力も優れていて、能力を活かした賢い狩りをするところから『知恵者』あるいは『賢者』の象徴としても知られています。

梟鳴族は、武や勇に長けていただけではなく、知力を駆使して戦う民族であったことが推察できますね。

可了貂のフクロウの被り物は、梟鳴族として誇り高く生きて欲しいという願いが込められているのかもしれませんね。

 敵を威嚇する役割

フクロウの被り物には、敵を威嚇したり、敵を欺いたりする役目もあったでしょう。

フクロウの被り物をつけた可了貂が突然目の前に現われれば、対峙した相手は驚いたり怯んだりするでしょうから、その一瞬の隙を狙えば、先手を打って攻撃することもできるし、逆にその場からいち早く逃げ出すこともできます。

 外界との壁

また、フクロウの被り物を身につければ、自分と外界との間に壁を作ることもできるし、心の動揺を隠すこともできます。

可了貂が暮らしていた黒卑村は、ならず者ばかりが集まる凶悪な村でしたから、一瞬たりとも気を抜くことはできなかったでしょう。

隙を見せた途端に命の危険にさらされるからです。

弱みを見せればなめられてしまいますから、泣き顔や恐怖におびえた顔を見せることなどできません。

フクロウの被り物ならそれを隠すこともできます。

 

ならず者のたちの手先として悪事に手を染めていたとき、可了貂は「これは生きるためにしかたなくやっているんだ。自分がやりたくてやっていることじゃないんだ」と叫びたかったはずです。

しかしその叫びや嘆きを声に出すわけにはいかず、フクロウの被り物でしっかりと覆い隠していたのでしょうね。

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まとめ

  1. 可了貂は、飛信隊の軍師
  2. 可了貂は、梟鳴族という山民族の末裔
  3. 可了貂は、唯一の身内だった祖父を亡くした後たったひとりで生きてきた
  4. 可了貂が身につけているフクロウの被り物は、梟鳴族であるという証であると同時に、自分を守るための鎧でもある

 可了貂は5歳の頃から過酷な環境の中をひとりぼっちで生き抜いてきました。

信や政との出会いが大きな転機となって山民族から秦人へと生まれ変わり、さらに大きく成長しようとしています。

可了貂の祖父は、亡くなる直前に「何が何でも生き残れ」と言い聞かせます。

そして「そうすりゃきっといいことがある」と、そこではじめて笑顔を見せました。

その言葉を支えにしながら必死で生き抜いてきた結果、可了貂は『飛信隊』という大切な居場所を見つけました。

可了貂には、これからもたくさんの『いいこと』を見つけていってほしいですね

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