『ハリー・ポッター』シリーズには欠かせない存在のダーズリー一家。
ダーズリー一家と言えば、ハリーを物置に住まわせたり、まともな食事も与えないなど、ひどい扱いをしていますよね。
しかし、なんだかんだ預かっているし本当は良い人なのでは?と思う人もいるはず。
今回の記事では、ダーズリー一家は本当は優しいのか?について考察していきます!
もくじ:好きなところに飛べます
ダーズリー一家は本当は優しい?
ハリーの両親が死んだ後、ハリーのことを預かることになったダーズリー一家。
ダーズリー一家といえばめちゃくちゃ意地悪な家族というイメージがありますが、なんだかんだハリーのことを預かって世話をして、優しくない?と思う方も多いですよね。
ハリーのことを預かっているのは、ダーズリー夫妻の妻、ペチュニア・ダーズリーが、ハリーの母親のリリー・ポッターの姉だからです。
この点も若干映画や原作の翻訳で不備があり、『ハリー・ポッターと賢者の石』の映画の中ではペチュニアがリリーのことを「姉さん」と発言するシーンがあります。
最終的にはペチュニアが姉、リリーが妹ということで収集がつきましたが、原作でも映画でも若干おかしな点がありますね。
とまあそれは置いておいて、リリーの姉がペチュニアなので、ハリーの残された唯一の肉親がペチュニア・ダーズリーだったというわけです。
まあ確かに、ダーズリー一家の立場になれば、甥っ子と言えど、1人の子供を育てるにはお金もかかりますし、同じ歳の子供がいれば全く同じように育ててあげられるかというと、同じ状況になった時に即答できる方の方が少ないのではないかと思います。
そのため、そもそも面倒を見ているだけでも優しいのではないかという声もあるようですね。
ハリーが受けた扱いを知ったらそうとは言えない
しかし、ハリーはダーズリー一家でかなり酷い扱いを受けてきました。
一部ではありますが、ハリーが受けた扱いについて紹介しましょう。
- 蜘蛛が出る物置に住まわせ、外から鍵をかける
- 10歳の男の子に食事を作らせたり掃除をさせ奴隷のように扱う
- ハリーを嫌いだという発言を本人の前でする
- クリスマスプレゼントがバーノンのお古の靴下の片方だけ
- ハリーの服は全部ダドリーのお下がりでブカブカ
- メガネも直してもらえずセロハンテープだらけ
- ダドリーがハリーを殴ってもお構いなし
- ハリーが悪くないことで食事を抜く
などなど、数え切れないくらい不当な扱いを受けているハリー。
フィクションなのでそんなに感情移入できない方もいると思いますが、子供がいる身からすると、自分の子供がこんな扱いを受けていたら・・・想像しただけで泣けてきます。
食事を与えないのは普通に虐待とみなされますし、ハリーの精神を追い詰めることをしているということは、精神的虐待です。
ハリーの精神が歪まなかったのは奇跡だと言っても良いと思います。
まあ、思春期に差し掛かる前にホグワーツに入学し、自分の居場所を見つけることができたという点が大きいとは思いますが。
とにかく、ダーズリー一家が優しいというのは見当違いかなと思いますね。
なぜハリーを預かったのか?
では、そもそもなぜハリーを預かることにしたのか?と言うと、これはダンブルドアとペチュニアの間の約束によって預かることにしたと考えられます。
原作では詳しく明記されていますが、ハリーにはリリーが死んだことで『護りの魔法』がかけられています。
ハリーが17歳になるまでヴォルデモートや敵から命を守ると言う魔法です。
『護りの魔法』については『護りの呪文とは?ペチュニアの最後のあれとは何?』の記事にて詳しく解説しています。
そのため、おそらくではありますが、ペチュニアに関してはハリーの身の安全を守るためにハリーを預かったのだと思われます。
ペチュニアの『最後のあれ』
その証拠と言ってはなんですが、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』にてハリーがバーノン・ダーズリーに追い出されそうになった際、『最後のあれを思い出せ』と言う吠えメールがペチュニアの元に届きます。
ハリーはリリーの『護りの魔法』によって、リリーと血の繋がりのあるペチュニアの元にいる間は安全な状態にあります。
しかし、ハリーが追い出され、ダーズリー一家を『家』と呼べなくなってしまった場合、ハリーの安全は脅かされるようになるということです。
そのため、『今ハリーを追い出したらハリーの命が危険に晒される』ということをペチュニアは吠えメールで思い出し、バーノンに
「この子をここに置いておかなくてはいけません」
と言って説得します。
説得する際にバーノンに対して「この子を追い出したらご近所にどう思われるか」と言って、世間体を気にするふりをしてハリーを家に留めるように言います。
この場面から察するに、バーノン・ダーズリーに至っては世間体を気にしてハリーを追い出さず、まともに世話をしていると見せているだけであるということがわかります。
反して、ペチュニアの方は、少なからずハリーの身を案じているのではないかと捉えられますよね。
じゃなかったら、赤ちゃんの頃ハリーを預かるという約束はしなかったのではないかと思います。
ペチュニアはハリーを気にかけている?
また、『ハリー・ポッターと死の秘宝』にて、ハリーが17歳になる前にダーズリー一家を逃した時、ペチュニアは最後、ハリーに
『なんとも奇妙な、おののくような目でハリーを見ながら、何か言おうか言うまいか迷ったような顔をした』
出典:ハリーポッターと死の秘宝原作小説より
と記述されています。
おそらくこの時、ハリーに対して何か言おうとしたけれど、自分の中で何か葛藤のようなものがあって辞めたのでしょうね。
本当はハリーに何か「無事でいてね」と言うような言葉をかけたかったのかな?とか思いましたが、そこは作者にしかわかりませんね。
ただ、ペチュニアにもダドリーという子供がいますから、少なからず『母性本能』のような形で、ハリーのことを愛する気持ちは1ミリくらいはあったのではないでしょうか?
ダーズリー 一家がプリベット通りを離れた理由
ちなみに、なぜダーズリー一家がプリベット通り4番地の家を離れたか?と言うと、ハリーの護りの魔法は17歳になるか、ハリーがその家を離れた場合(物理的にという事ではなく、そこにもう戻らない、家とは呼べない場所になった時)に保護の魔法が切れることになっています。
そうすれば、ハリーを襲うために真っ先にヴォルデモートやデスイーターが襲ってくる場所になるでしょう。
ダーズリー 一家がハリーの居場所を知らなくても、おそらく拷問して口を割らせようとするはずです。
そのため、ダーズリー一家の安全を守るために、プリベット通り4番地の家から遠ざけ、『不死鳥の騎士団』のメンバーに保護されたのです。
『護りの魔法』の詳細についてはこちらを参考にしてくださいね。
ダーズリー一家がハリーを嫌う理由はなぜ?
ハリーを預かったものの、ハリーに酷い扱いをしてきたダーズリー一家。
しかし、なぜダーズリー一家はハリーをそこまでして嫌うのでしょうか?
その理由について考察してみました。
魔法などの変なものが嫌いだから
まず1つ目の理由としては、『魔法』などの摩訶不思議なものに対して、ダーズリー一家は理解がないという理由ですね。
魔法使いの『ま』の字も言えないような人たちですし、もともとそんな世界のことは認められないという人たちでした。
(まあ、ハリーが魔法族なので認めないわけにはいかないのですが)
ダーズリー一家については、『ハリー・ポッターと賢者の石』の冒頭でも、こう記されています。
プリベット通り四番地の住人ダーズリー夫婦は、「おかげさまで、私どもはどこから見てもまともな人間です」というのを自慢にしていた。
不思議とか神秘とか、そんな非常識なことはまるっきり認めない人種で、摩訶不思議な出来事が自分たちの周辺で起こるなんて、とうてい考えられなかった。
出典:ハリー・ポッターと賢者の石原作小説より
そのため、ハリーが魔法族であるということ、そしてその存在自体を嫌悪していたのではないかと思われますね。
特にバーノン・ダーズリーに関してはハリーと血の繋がりはありませんから、愛情が湧かない可能性が高いですね。
リリーに対するコンプレックス
2つ目に考えられるのは、ペチュニアのリリーに対するコンプレックスです。
『護りの魔法』の記事でも解説していますが、ペチュニアはリリーの魔法に対して憧れというか、羨む気持ちを持っていました。
そのため、ペチュニアは幼い時にダンブルドアに対して自分をホグワーツに入れてくれと手紙を書いています。
そのことからもわかる通り、ペチュニアはリリーに対して、魔法族に対してある種のコンプレックスのようなものを抱いているということがわかります。
ハリーは魔法族ですから、魔法族に対するコンプレックスを、嫌悪にして表していたのではないかと思われますね。
そもそもそういう性格
最後に考えられるのは、コンプレックスやハリーが魔法族云々ということは抜きにして、そもそもダーズリー一家はそういう性格なんだというところですね。
まあ、人の性格は簡単に変わるものではないですから、そもそも自分と違うものを排除しようとする気持ちが強かったり、自分の子供(ダドリー)だけを猫可愛がりして、ハリーに対して惨めな思いをさせて楽しむとか、そういうことが楽しい、快感と思ってしまうタイプの性格なのかもしれません。
要するにいじめっ子体質ということです。
おそらくこの3つの要素が絡まり合って、ハリーに対して酷い扱いをしているのだと思われますね。
ダーズリー一家はホグワーツの戦いのその後どうなった?
最後に、ダーズリー一家はプリベット通り4番地を離れましたが、ホグワーツの戦いの後、ヴォルデモートの勢力が消滅し、身の安全が確保できるようになりました。
その後、ダーズリー一家はプリベット通り4番地に戻ってきたのでしょうか?
原作では、ダーズリー一家がその後どうなったのか?は語られていません。
作者であるJ.K.ローリングさんは、その後のダドリーとハリーとの関係性のみ語っています↓
「大人になってからも会っているわ。クリスマスカードを送り合うほどよ」
「義務感から会っているって言うべきかも。子どもたちが遊んでいる間、黙って座っているのよ」
とのこと。
ダドリーも結婚して子供がいるのかもしれないですね。
ハリーとダドリーの関係は一応修復・・・というか、ギクシャクはしているけれど、いとこ同士ということで繋がりを持っているということですね。
ちなみに、ハリーとダドリーは、『ハリー・ポッターと死の秘宝』でダーズリー一家がプリベット通り4番地を離れる時に、握手までしています。
バーノンがプリベット通り4番地を出て行くのは嫌だとハリーに対して言うと、ダドリーはハリーが身の危険に晒されていることを理解し、ハリーの言うことに従って不死鳥の騎士団のメンバーについて行くと発言します。
さらに、
「あいつはどうして一緒にこないの?」
と言って、ハリーのことを心配する様子も描かれています。
また、バーノンがハリーに対して酷い態度をとり、騎士団の人たちが怒ると、ハリーは自分は粗大ゴミみたいなものだからと発言しますが、ダドリーがまたしても
「おまえ、粗大ゴミじゃないと思う」「おれの命を救った」
と発言します。
ハリーがダドリーの命を救ったのは、『ハリーポッターと不死鳥の騎士団』の冒頭、ダドリーがディメンターに襲われた時のことですね。
ダドリー的には、ハリーへの愛情というか、そんなものを表現したかったのかな?と思ってしまいますよね。
長らくハリーとダドリーの関係性を見てきた身としては、ダドリーの進歩というか、ハリーへの感情が描かれていて、何とも言えない気持ちになりました。
その後、ハリーどダドリーは
「またな、ハリー」
「元気でな、ビックD」
と言って、2人は握手をして別れます。
ハリポタファンからすると、なんとも感動的なシーンですよね・・・(T ^ T)
ウルっときてしまいます・・・。
おそらく、作者はダドリーとペチュニアに関しては、悪者にはしなかったのではないかと思います。
ペチュニアは、甥っ子ということでハリーに少なからず愛情みたいなものを抱いていた。
ダドリーに関しては、バーノンの影響でハリーを殴ったり意地悪をしたりしていたけれど、心の奥底ではハリーのことを同志(ではないか)みたいな、友情のような感情を抱いていたのだと考えられます。
ただ、バーノンに関しては、ハリーに1ミリも愛情はなかったと思いますし、最後の最後まで嫌なおじさんでした。
ダーズリー一家はバーノンが悪の根源だったのでは?と思われますね。
J.K.ローリングさんのメッセージとしては、物事を受け入れる心の広さを持つこと、人を愛することの大切さということを伝えたかったのかな?と思います。
『ハリー・ポッターと呪いの子』のミュージカルにて、ハーマイオニー役が黒人女性だったことに対し、ファンから「なぜ黒人なんだ」という声が挙がった事がありました。
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しかし、この件についてJ.K.ローリングさんは、
「設定:茶色い目、くせっ毛、とっても賢い。白い肌なんて明示したことはないわ。ローリングはブラックのハーマイオニーが好きよ」
と語っており、黒人の器用に対して批判する人物へ怒りのツイートを発することもありました。
J.K.ローリングさんとしては、バーノンのように視野が狭い人間(魔法のことを認められなかったり、世間体ばかり気にしている、また自分の子供だけを贔屓する点など)が生み出す負の連鎖(ダンブルドアはダドリーが被害を被ったと発言しています)に対する警鐘として、バーノンのようなキャラクターを作り上げたのではないかと私は考えています。
人種差別に関しても、視野の狭さ、想像力の欠如から起こることだと思います。
J.K.ローリグさんはこの『ハリー・ポッター』という作品の中で、色々なことを作者に対して伝えてくれていますね。
話が逸れてしまいましたが、結果的にダーズリー一家はホグワーツの戦いの後、プリベット通り4番地に戻ってきたのでは?と考えています。
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まとめ
- ダーズリー 一家はハリーを虐待していたので優しいわけではない
- ペチュニアとダドリーはハリーに対して気遣うような場面も見られたが、バーノンは最後まで悪者だった
- ダーズリー 一家はその後どうなったか不明だが、ダドリーとハリーは定期的に会っているらしい
原作を読んでいないと難解な部分も多いハリーポッターシリーズですが、他の解説&考察記事も書いているので、下のリンクからぜひ読んでみてくださいね!