降り注いだ石化光線により全人類が石化した後、3700年が経過した地球で、科学知識を身につけた少年、石神千空が文明の復興を目指す物語・ドクターストーン。
この物語では、石化現象の発生メカニズムと、この現象が誰の仕業によるものかという部分が全編通しての謎になっています。
そこで今回の記事では、石化現象の黒幕とされている『ホワイマン』の正体と、その目的について考察します。
Dr.STONEの豪華外伝『Dr.STONE reboot:百夜』が、3/4に発売です。書影出ましたー!
本編と同じくBOICHI先生が執筆!
今回は原作もBOICHI先生で、僕がセリフなどをフル監修させていただきました。
百夜たちの宇宙ステ
ーションを掘り下げた、ifストーリー。千空たちも出るよ!
よろしくお願石ます! pic.twitter.com/yg6Jzgp606— 稲垣理一郎(リーチロー) (@reach_ina) February 28, 2020
もくじ:好きなところに飛べます
ドクターストーンのホワイマンとは?
「ホワイマン」というのは正式名称ではなく、読者や登場人物たちから呼ばれている仮の名前です。
千空たちがホワイマンの存在を知ったのは、仲間を集め、文明復興を着実に進めつつあった時期でした。無線通信機やレーダーの試運転を行っていた千空たちは、モールス信号のような間隔で送信されてきた電波を受け取ります。
モールス信号で翻訳してみると、そのメッセージは「W」「H」「Y」 つまり「WHY」の繰り返しでした。
延々とホワイ、つまり「なぜ」と呼びかけてくる謎の存在を、千空たちはホワイマンと名づけたのです。
Dr.STONE原作の方では、島編の決着によっても石化武器は入手できないと思ってるが、通称
「ホワイマン」正体の一端が掴めることになると想像する。「誰?」「どうやって?」ではなく「何故?」だけの連呼から、「なぜ文明を発展させた?」と問うてる
ことが推測される。なんでそんなヘンな訊き方なのか。 pic.twitter.com/xjRzt9IVxn— インクエッジ
(@02Curry) November 24, 2019
二度目にホワイマンがコンタクトを取ってきたのは、千空たちが、石化現象の発生理由と思われる石化装置を入手した直後のことでした。
無線に出た千空に対して、謎めいた声が、
12800000メートル
1セコンド
と語りかけてきたのです。
12800000メートルは地球の直径と同じです。
石化装置は音声で発動する仕組みになっており、最初に石化させる範囲を指定した後、作動するまでの時間を設定します。
つまり上の言葉は、「直径12800000メートルの範囲へ石化光線を広げろ。照射開始は一秒後だ」という命令を意味しています。
幸いにもこのとき、石化装置は声の近くになかったために発動を免れましたが、もし発動していた場合、地球全体が石化光線に包まれるところでした。
過去にも地球は石化光線に覆いつくされていることから、ホワイマンが、全人類石化現象の黒幕である公算が高くなったのです。
ホワイマンの正体は何者?
原作最新話の段階でも、ホワイマンの正体を考察する情報はあまり揃っていません。
しかし千空はホワイマンからの通信を解析することで、通信電波の発生地点が月面であることを見抜きました。
ホワイマンが月面にいるのならば、地球全土を石化光線で覆うことに躊躇がないのも頷けます。自分自身は被害を受けないからです。
しかし文明が崩壊しているはずの世界で月面に存在していることを考えると、ホワイマンの素性がますます謎になってきます。
もしかすると人間ではないのでは?という発想から、ネットでは、
- 月面で活動しているAIが自我を持った説
- 異星人説
などが語られているのです。
ホワイマンの居場所を推測した千空は、ロケットを作り上げて月面へ向かうことを最終目的に設定しています。
ホワイマンとの邂逅は、物語のハイライトになることでしょう。
ホワイマンはレイと同一人物?
レイ=ホワイマン説の根拠
ジャンプでやってるDr.STONE reboot:百夜のレイがかわいくてかわいそうでいつも泣きそうになる…来週の最終回号泣するかも pic.twitter.com/dJ7KztL2nm
— 📟ウォーリー📟 (@redwhite_stripe) December 17, 2019
レイは、この物語の外伝として短期集中連載されていた、『Dr.STONE reboot:百夜』に登場するキャラクターです。
この作品は地球上が石化光線に包まれた際、宇宙ステーションに滞在していたことから難を逃れた千空の義父・百夜の奮闘などを描いたストーリーで、レイは人間ではなく、百夜が作成したロボットでした。
百夜や他の宇宙飛行士と共に宇宙ステーションにいたレイですが、百夜たちが地球へ帰還する際、サポート役を任されたことから単機、宇宙ステーションに残ります。
その後、百夜たち宇宙飛行士は宇宙に戻ってくることはなく地上で生を終えましたが、人間の寿命を理解していなかったレイは宇宙ステーションで百夜たちを待ち続けていました。
ただ待つだけでなく、地球に落下して大惨事を巻き起こす可能性のある隕石を排除したり、百夜たちを待ち続けるために自分の身体の改良を試みたりもしています。
連載第一話では丸っこい形をしていたレイは、最終話で人間と見間違えるような姿をした超高性能アンドロイドへと進化を遂げたのです。
このレイが、ホワイマンの正体なのではないかという説が読者から囁かれています。
外伝でレイがいたのは宇宙ステーションですが、 そこから月面に移り、なにかの事情で地球への干渉を開始したのではないかというのです。
レイ=ホワイマン説の矛盾点
ただしレイ=ホワイマンだとすると、色々矛盾点も出てきます。
第一の問題点ですが、石化光線が地球を包んだ時点では、レイは高性能とはいえ、現代科学の範囲内で組み立てられたロボットにすぎませんでした。
そのためその時点で、石化光線を開発・照射できたはずがありませんし、そういう発想自体、レイの中に浮かんだとは思えません。つまりレイ=ホワイマンだとすると、最初の石化光線はレイとは別の誰かの仕業ということになり、謎が増えるだけになってしまうのです。
第二の問題点は、作者の問題です。ドクターストーン本編は作画のBoichi先生と原作の稲垣理一郎先生のタッグによる作品ですが、『Dr.STONE reboot:百夜』は作画のBoichi先生一人で執筆した作品であり、公式には本編のIFストーリーだと説明されています。
ホワイマンの正体は本編の重要ポイントなので、原作者がストーリーに関わっていない作品で、先に本編の黒幕を出すようなことはありえないのではと思われるのです。
ホワイマンと千空の声が同じなのはなぜ?
ホワイマンの正体に関して読者を混乱させている情報の一つが、無線で「12800000メートル 1セコンド 」と言った彼の声が、主人公の石神千空と同じものだった、という点です。
この声に関しては、千空と同じ声帯を使っているというわけではなく、電子音声のように録音した声を転用しているか声を解析して似たような声を生み出しているのではないか、と推測されています。
千空の声を使っている理由については、
- それまでに石化装置を何度か千空が使用していたから(石化装置周辺の状況をホワイマンは知ることができる?)
- 無線通信で千空の声を聞いていたから
- 千空の関係者だから
といった説がネット上で挙がっていますが、これだ、という決め手はありません。
ホワイマンの目的を考察!
石化現象の意外な効果
ホワイマンが石化現象の犯人であると仮定した上で、彼(?)の目的が何だったのかを推測してみましょう。
石化現象には、次のような効果があることが判っています。
- 石化した人間は石化している間、齢をとらない
- 負傷したり、病に侵された人間が石化した場合、石化解除後は回復している
- 石化はナイタール(硝酸とアルコールを混ぜた工業用の腐食液)を振り掛けることで解除可能
たとえばホワイマンが人類を憎み、文明を崩壊させることを計画しているような悪人だった場合、石化光線と言う方法は採らないように思われます。
人類がまだ知らない効果を持つ光線を世界中に行き渡らせることができるような科学力の持ち主なら、もっと他の方法を使った方が手っ取り早いように考えられるからです。
対象を殺害せず、復活できる可能性が残っている手段に頼るのは、まだるっこしいような気がします。
そうすると、ホワイマンには人類に対して害意があったのではなく、むしろ人類を助けるために石化光線を使うしかなかったのではないか、という推測も成り立ちます。
ホワイマンは何かから人類を守ろうとしている?
石化した人類は、石化した状態のままなら数千年経過しても死ぬことはなく、石になった状態でバラバラになってしまっても、きれいに繋ぎ合わせれば、石化を解いたときには元通りに戻れることも判明しています。
石化することはデメリットしかないようにも思われますが、生身の状態より丈夫になるというメリットもあるのです。
もしかするとホワイマンは、全人類に対してなにか大規模な災害(天変地異とか、超凶悪なウイルスの発生とか)が訪れることを予期しており、
人類を守るためにやむなく石化光線を使用したのかもしれません。
ただしこの推測にも疑問点は残ります。
石化光線が地球を覆ってから、すでに3700年が経過しています。その後復活した千空たちを、ホワイマンはもう一度石化させようとしているのです。
またホワイマンが石化装置を使用したのは3700年前だけでなく、本編の数百年前にも、大量の石化装置を地表にばらまく形で、復活していた少数の人類を石化させていたことも判明しています。
災害から人類を守るために石化光線を使ったとするならまだその災害は訪れていないということになりますが、それなら3700年前ではなく、もっと後で光線を使っても問題なかったはずです。
そもそも優れた科学力の持ち主であるはずのホワイマンが、光線を使う前に人類に対して何の呼びかけもしなかったことも、不自然です。
ホワイマンの意志を元にして発生したと思われる石化現象は、いくつもの矛盾を含んでいます。
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まとめ
- ホワイマンは全人類石化現象の黒幕かもしれない存在
- 主人公達に「WHY」だけの通信を繰り返し送ってきたことからこの名で呼ばれている
- 通信の発信源が月面であることから、月面にいるものと思われる
- 外伝に登場したロボット、レイが正体なのではとも言われているが、その説には矛盾点もある
- 全人類を石化した目的は不明。石化光線には浴びることでメリットも生じるため、単純に人類を排除するという目的ではないのかもしれない。
2021年1月から、アニメ2期が開始されるドクターストーン。ホワイマンの存在が明らかになるのは原作でもかなり巻が進んだ時期なので、アニメ2期でもホワイマンに言及されるかどうかは不明です。しかし、物語の根幹に関わるキャラクターであることは間違いないので、この記事を読んでその存在を予習しておきましょう!